研究課題/領域番号 |
19K15595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 兵庫県立工業技術センター |
研究代表者 |
阿知良 浩人 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (60804648)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | メタロフォルダマー / 固体発光 / 高分子 / 白金錯体 / 分光分析 / りん光 / 弾性体 / フォルダマー / 量子効率 / らせん誘起 / 応力刺激 / 分子間相互作用 / 応力発光 / 架橋構造 / セミフレキシブルリンカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、含金属人口らせん分子(メタロフォルダマー)の弾性的な性質を利用し、微小な刺激にも高感度な光学応答を示す高分子材料の開発を目指す。メタロフォルダマーを高分子に架橋した材料を作製し、メタロフォルダマーのばね特性に由来する可逆的な発光を示すところまでを明らかにする。
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研究成果の概要 |
メタロフォルダマーの分子設計を行い、合成・構造解析を経て固体発光特性について対応する単核錯体と比較した。単核錯体の単結晶に紫外線を照射すると赤色りん光発光を示したのに対し、メタロフォルダマーの単結晶はほとんど発光しなかった。メタロフォルダマーの発光寿命は単核錯体の約半分で熱失活係数が約10倍であったことから、メタロフォルダマーの分子間の相互作用が強く、濃度消光を起こしていることが明らかになった。メタロフォルダマーの前駆体を高分子に分散し、膜形成すると高分子中でフォールディング構造を形成したまま凝集が抑えられ、発光が強くなり、発光寿命が約5倍に延びて熱失活係数も約10分の1に下がった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では分子サイズのばねのような構造をもつ物質が効率よく発光させるための改善方法を検討してきた。このような物質は凝集して濃度消光を起こしやすくなるため、高分子に分散させることでばねの形を保ったまま凝集を制御し、発光効率を向上させることができた。この手法を用いれば、微小応力に対するセンシングを発光で視覚的にとらえることができるため、微弱な応答を検出するための材料設計の指針につながると考えらえる。
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