研究課題/領域番号 |
19K15622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 剛 京都大学, 工学研究科, 助教 (30826219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラジカル重合 / ホウ素 / 制御重合 / 高分子反応 / 量子化学計算 / モノマー設計 / ビニルポリマー / ブロックコポリマー / リビング重合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではホウ素の特異な元素特性の活用により、新しい重合システムの開発・機能性高分子の創出を行う。具体的には、アルケニルボロン酸エステルをラジカル重合のモノマーとして用いることにより、主鎖上にボロニル基が直接置換したビニルポリマーを合成する。これを合成中間体として利用することで従来合成困難とされてきた様々なビニルポリマーの合成に繋げるほか、ルイス酸性を有するホウ素が主鎖上に高度に集積されている点を利用した分子認識材料を開発する。
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研究成果の概要 |
ビニル基にホウ素が直接結合した構造を有するアルケニルボロン酸エステルがラジカル重合のモノマーとして利用可能であることを見出した。量子化学計算により、ホウ素の有する空のp軌道が重合中の成長ラジカルを安定化し、副反応を抑制していることが示唆された。得られたポリマーは主鎖上に直接ホウ素が結合した構造を有しており、炭素-ホウ素結合の切断によりポリ(α-メチルビニルアルコール)やスチレン-ビニルアルコール共重合体など、従来法では合成困難なポリマーへと変換することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビニル化合物のラジカル重合性はビニル基に直接結合した官能基・元素に強く依存するために合成可能なポリマー構造には制限が存在している。一方、本研究で見いだされたアルケニルボロン酸エステルのラジカル重合・重合後変換においては、モノマーにおける重合性を担うホウ素を他の元素で置き換える「側鎖置換」型の高分子反応が可能であるため、モノマーの重合性に起因する制約を超えた高分子合成が可能である。有機化学においてはホウ素を様々な元素へと置き換える反応が開発されており、今後の研究の進展によりこれまで合成が困難とされてきた多様なポリマーへの変換が可能になり、自在な高分子合成手法の開発につながる。
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