研究課題/領域番号 |
19K15631
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古賀 舞都 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (80733477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | X線散乱 / 微粒子 / カーボンブラック / 高分子 / Ⅹ線散乱 / シリカナノ粒子 / 燃料電池 / 微粒子分散系 / 固体高分子形燃料電池 |
研究開始時の研究の概要 |
燃料電池やリチウムイオン電池の電極は、スラリー液(液体中に固形粒子が分散したもの)を塗工/乾燥して作製する。スラリー液や電極は、サブミクロン~数ミクロンの構造から形成されており、電子顕微鏡観察による構造解析が主流を占めている。しかし、電子顕微鏡では、ミクロンレベルの狭い観察範囲、試料損傷等の点から、複雑な三次元構造を適切に評価できているのか疑問が残る。そこで、試料を損傷させることなく平均的な構造情報が得られやすいX線散乱法が応用されている。本研究では、X線散乱法により解析可能なフラクタル次元に着目し、被覆率や空隙率といった電極構造とフラクタル次元の関連性について明らかにする。
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研究成果の概要 |
燃料電池やリチウムイオン電池の電極作製に利用されるようなスラリー液や多孔質体構造について、X線散乱から得られる凝集体フラクタル構造情報をどのように活用できるか検討した。カーボンブラックまたはシリカナノ粒子を用いた分散液においては、ポリマー添加量に関連したフラクタル次元の変化を見出せなかったが、固体膜においては微小変化を確認できた。また、当初の予定外で行った実験において、スピンキャストによりシリカナノ粒子が精緻に並んだ膜を作製することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スラリー塗工による電極層形成は、固体高分子形燃料電池やリチウムイオン電池で共通の技術である。高分子やカーボンブラック粒子等の固体成分を含むスラリー液を塗工・乾燥し、粒子同士がバインダー高分子により結着された多孔質な電極層が形成される。スラリー液と電極層の相関が明らかになれば、電極開発や材料設計等に有用である。可視光を透過できないカーボンブラック等を含む材料では計測方法に制限があるが、本研究で利用したX線散乱法は黒色であっても計測が可能である。今後、表面状態や多孔性の評価が可能になれば材料設計指針を得るために有用な手法となると期待できる。
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