研究課題/領域番号 |
19K15661
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
|
研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
竹入 史隆 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (20824080)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 酸水素化物 / ペロブスカイト / ヒドリド / 誘電率 / イオン導電 / 構造物性 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒドリドを含む酸化物、すなわち酸水素化物における誘電特性や構造相転移といった構造物性の開拓をおこなう。ヒドリドは、電気陰性度が小さい・1s 軌道のみに電子を持つ・大きさを変えやすい、などの特徴をもつ、特殊なアニオンである。特に、ヒドリドの電荷密度の小ささに起因する化学的・物理的圧力への柔軟な応答性は、構造歪みの許容度向上をもたらす可能性がある。本研究では、ペロブスカイト型構造をもつ酸水素化物に着目し、誘電率・比熱などの測定に、電子状態・フォノン分散等の理論計算を適宜組み合わせることで、その基礎的な構造物性を明らかにし、誘電体をはじめとした次世代材料開発へつながる知見を探求する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、柔らかい、1sのみの電子配置といったユニークなアニオンであるヒドリドを含む酸化物(酸水素化物)において、その誘電特性を中心とした構造物性の開拓に取り組んだ。ペロブスカイト型構造をとるAScO2H (A = Sr, Ba) を対象として、焼結体ペレットを用いた交流インピーダンス測定を実施したところ、100-300Kにおいて~50程度の比誘電率を観測した。また、上記組成をベースとした物質探索を実施した結果、層状構造を持つ酸水素化物の合成にも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素の負イオンであるヒドリドを含む酸化物(酸水素化物)において、その誘電特性を中心とした構造物性の開拓に取り組んだ。ペロブスカイト型構造をとるAScO2H (A = Sr, Ba) の誘電率の測定に成功し、これはヒドリドを含む化合物では初である。本成果を出発点とし、今後のさらなる物質探索によって、チタン酸バリウムなどの既存の酸化物材料を凌駕する新物質の発見に繋げたい。
|