研究課題/領域番号 |
19K15684
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 鶴岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊藤 滋啓 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20707806)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | IT-SOFC / 格子欠陥 / 結晶構造 / アノード / 助触媒 / 欠陥構造シミュレーション / セラミックス / 固体 / SOFC / 活性サイト / シミュレーション / 表面 / フレンケル欠陥 / 固体酸化物形燃料電池 / 会合欠陥クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
従来のSOFC研究では、性能向上と安定性向上の点からステンレスの使用が可能な700℃程度の温度において、薄膜化とカソード反応活性化が主要課題とされている。しかし提案者は、アノード反応活性にこそ「性能と安定性の間のトレードオフ」を解消し、アノード性能向上及び電池性能改善効果が現れることを、初めて明らかにした。この実績を基に、アノード層内3層界面数を飛躍的に増加させ、同時にアノード層内粒成長を抑制させることで安定性の向上を確保する活性サイト創製研究を申請者が見出しているBMをアノード内への添加物として使用することで実施する。
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研究成果の概要 |
本研究を通して、新たな助触媒材料の可能性と性能向上に資する活性サイトの在り方を明らかにすることができた。申請者が先行研究で見出したBIZZOのZnをMgに変えたBIMZOをSOFCのアノード層に添加することでSOFCの電極性能向上に繋がった。また欠陥構造シミュレーションを用いて、アノード層内のZrO2表面に活性サイトとして振る舞う欠陥クラスターが形成すると考えられてきたが、クラスター数が増えると計算は収束せず、活性サイトの理想的な設計は出来ていなかった。その欠陥クラスターモデルを希土類C型構造の酸素欠陥位置に近づけることで、クラスター数を増加しても計算が収束し「理想」のモデルを提案できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果である新規助触媒の添加効果、理想的活性サイトの提案は、これまでにないSOFCの可能性を見出したと言える。助触媒添加型アノードを使用し、性能と安定性のトレードオフを解消した高性能・高安定性IT-SOFCが世の中に普及すると水素エネルギー利用の加速・促進、省エネルギー効果、環境負荷低減効果、エネルギーの供給多様化、石油代替効果、分散型電源としての利用、産業競争力強化と新規産業・雇用の創出などの付加価値が期待でき、我々生活を豊かにしてくれることに大いに期待ができる。また、我が国が目指す2050年までのカーボンニュートラルへの取り組みにも十分貢献できると考えられる。
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