研究課題/領域番号 |
19K15696
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三木 卓幸 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (20823991)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ファージディスプレイ / 膜蛋白質 / His-tag / Ni(II)錯体 / ペプチド / 中分子医薬 / ファージディスプレイ法 / Ni錯体 / hDM2 / Phage Display / ペプチドリガンド / 化学修飾 / 金属錯体 / 膜タンパク質 / His tag |
研究開始時の研究の概要 |
創薬においてペプチドを用いた中分子医薬品は注目を浴び、そのリード中分子の探索にはファージディスプレイ法が有用である。これは、ランダムな配列で構成されるペプチドライブラリーの中から標的分子に結合するペプチドを探索する手法である。しかし、この方法は、一般的に精製した蛋白質を用いて試験管内でリードペプチドを探索する為、精製・単離が困難な膜蛋白質には適用が困難である。そこで、私は膜蛋白質を単離・精製することなく細胞膜上の蛋白質をそのまま用いて、中分子医薬のリード化合物を探索する”Tag-assistedファージディスプレイ法”を確立する。
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研究成果の概要 |
ファージディスプレイ法は標的分子と結合するペプチド配列を探索する優れた手法である。しかし、単離・精製が困難な膜蛋白質に適用が困難という大きな課題が残されていた。そこで、筆者はファージにNi錯体を化学修飾することで、細胞表層に発現するHis-tag融合蛋白質に選択的なリガンド探索ができると考えた。まず、ファージに対する化学修飾反応を確立するため、蛍光色素NBDを用いて反応条件を確立した。この結果をもとにNi錯体をファージに修飾し、His-tag融合hDM2に対してペプチドリガンドの探索を行った。その結果、Ni錯体を修飾した場合、有意に標的蛋白質と結合するファージが濃縮されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファージディスプレイ法は、中分子医薬品開発の実績のある基盤技術である。しかし、リガンド探索において、バイアスが強い点や膜蛋白質に適用できない点など致命的な欠点も多い。そのため、これらを解決したリガンド探索法は、創薬の革新的技術となり得る。本研究で開発した手法は効率的にペプチドリガンドを探索でき、次世代の創薬技術の前進的な手法である。本手法の発展と更なる改良によって、より実践的な中分子リガンド探索法に進化すると期待できる。
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