研究課題/領域番号 |
19K15723
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 広島大学 (2020-2021) 総合地球環境学研究所 (2019) |
研究代表者 |
石田 卓也 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 助教 (70759571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リン動態 / 土壌養分 / リン酸酸素安定同位体比 / 混合モデル / 同位体混合モデル / 固相抽出法 / リン酸酸素同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、リン酸酸素同位体比を利用した培養実験を行い、生物が直接利用可能なリン酸は、どのように土壌中で形成されているのかを示す。リン酸酸素同位体比はリンのトレーサーとして、起源特定や動態解明に利用することができる先端技術である。リンは、土壌に強く吸着されるので生物が利用しづらい状態で存在している。本研究によって生物に利用可能なリン動態が明らかになることで、自然システムの理解や農地土壌に蓄積したリンの効率的な利用につながることが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、作物生産を制御する土壌中の生物利用可能なリンがどのようにして形成されるのかを明らかにすることを目的とし、リン動態を質的に捉えることができるリン酸酸素安定同位体比を用いた土壌培養実験を行った。水田土壌を対象とした培養実験の結果は、有機態リンの無機化が生物利用可能リンの主要な形成過程であることが示していた。また水田農法の一つである冬季湛水を行うことで、リンが効率的に土壌へ吸収されることも明らかにした。さらに本研究では、リン酸酸素安定同位体比の分析方法の改良にも取り組み、簡略化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作物の生産量に直結する土壌中のリン動態を明らかにすることは、人口増加に伴う食糧要求の増大に面している現代社会において非常に重要である。本研究では、先端技術であるリン酸酸素安定同位体比を用いることで、リン動態を精微に評価できることを示した。本研究成果を元に実験、調査を進めることで、効果的なリン施肥法や河川・湖沼を保全する農法を考えることができる。またリン酸酸素安定同位体比は分析法が非常に困難であったことから普及が進んでいなかったため、本研究の簡略化した方法は同分析法の普及を進め、リン動態研究が深化させることが期待される。
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