研究課題/領域番号 |
19K15726
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2019, 2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
永久保 利紀 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20826961)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膜小胞 / コリネ型細菌 / 鉄 / コリネ菌 / ミコール酸含有細菌 / 物質生産 / グルタミン酸生産菌 / 放線菌 / メンブレンベシクル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、放線菌の一種であるグルタミン酸生産菌Corynebacterium glutamicumにおける、メンブレンベシクル(MV)産生のメカニズムの解明とその物質生産への応用を目的とする。本研究を遂行するために、本申請者は生化学的な手法とイメージング技術を駆使したアプローチをとる。本菌のMVの組成を網羅的に調べた上で、最先端の顕微鏡を用いてMVがつくられる様子を視覚的にとらえることで、そのメカニズムの全貌を明らかにする。MVは、新たな代謝産物排出系としての応用可能性を有するため、本研究の成果は、本菌を含む放線菌を用いた物質生産の効率化にブレイクスルーをもたらすことが期待できる。
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研究成果の概要 |
Corynebacterium glutamicumにおける膜小胞の産生メカニズムを解明し、細胞外物質輸送における本菌の膜小胞の機能に関する知見を得 ることができた。C. glutamicumが多様な組成の膜小胞を異なる経路から作り分けることを明 らかにした。さらに、外膜成分からなる膜小胞については、細胞外において鉄イオンを捕捉するキャリアーとして機能しうることも発見した。上記の研究成果により、外膜由来膜小胞が鉄欠乏条件下での 本菌の生育を向上しうることが明らかになっただけでなく、栄養条件に深く関連する本菌の代謝経路を膜小胞で制御する新たな技術への可能性も拓かれた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題を通じて得られた成果は、微生物が産生する膜小胞の形成メカニズムおよび生物学的機能に関する重要な知見を提供した。Corynebacterium glutamicumは、病原細菌である結核菌などを含むミコール酸含有細菌群に属しており、この菌群が産生する膜小胞の機能に注目が集まっている一方で、これまでその産生メカニズムは明らかになっていなかった。また、本研究成果ではCorynebacterium glutamicumが膜小胞を介して細胞外の鉄を獲得する可能性も示唆されており、これは産業上重要な本菌の生育や代謝を制御する上での新たなアプローチにつながる知見となりうる。
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