研究課題/領域番号 |
19K15739
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
三浦 夏子 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (80724559)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | サンゴ共在細菌 / 分離共培養 / Ruegeria属細菌 / 環境DNA / V. coralliilyticus / Homeostatics / Vibrio coralliilyticus / 抗菌タンパク質 / 抗菌物質 |
研究開始時の研究の概要 |
生態系サービスの主要な提供者である造礁サンゴは、地球温暖化に伴う病原菌の活性化等により絶滅の危機に瀕している。申請者は2017年に、病原菌に対する抗菌活性を持つ新規なサンゴ常在菌(Ruegeria属細菌)を単離した。本研究では、新規Ruegeria属細菌によるサンゴで初めてのプロバイオティクス開発に向けて、Ruegeria属細菌とサンゴ病原菌間の分子的相互作用を明らかにすることを目的とする。本研究では特に菌種間相互作用に関与する物質群(“Homeostatics”)による菌種間相互作用を物質ベースで明らかにすることで、サンゴ常在菌叢における恒常性維持機構の解明と利用に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
小型分離共培養容器を用いてRuegeria属細菌とV. coralliilyticusの菌種間相互作用を実験的に再構築し、菌種間相互作用がみられる共培養条件を決定した。また、培養液上清を分画・精製し、MALDI-MSおよびLC-MS/MSを用いて菌種間ではたらく候補分子を決定した。さらに、In silico PCR等を用いて混合培養時あるいは実環境中において、Ruegeria属細菌特異な検出用プローブを開発し、フィールドにおけるサンゴ共在細菌の分布調査を行うとともに、造礁サンゴの一種であるG. fascicularisに共在するRuegeria 属細菌を含む細菌株を新たに複数単離・寄託した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では共培養容器を用いて、特定の物質を介した2種の細菌間相互作用が実験的に再構築可能であることを示し、各種菌種間相互作用の解明に向けて新たなアプローチを提唱した。また、これまでサンゴ微生物叢における機能がほぼ未解明であったRuegeria 属細菌のサンゴ病原菌に対する効果を検証することで、本菌並びに本菌が産生する生理活性物質の利用可能性を示した。さらに、本研究により、これまで入手が非常に困難であったRuegeria 属細菌を含む複数のサンゴ共在細菌を研究者が自由に入手・使用することが可能となった。こうした成果は、国際的なサンゴ共在微生物研究の推進に貢献することが期待できる。
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