研究課題/領域番号 |
19K15753
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 関西医科大学 (2019) |
研究代表者 |
角出 啓輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (20826458)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヒト造血幹細胞 / 肝オルガノイド / 胎児造血 / 胎児肝 / ヒトiPS細胞 / 星細胞 / 類洞内皮細胞 / オルガノイド / iPS細胞 / 造血幹細胞 / 再生医学 / 体外的HSC活性維持法 |
研究開始時の研究の概要 |
まず、胎児肝臓(肝芽)を構成する肝芽細胞、類洞内皮細胞、星細胞をヒトiPS細胞から作製し、3次元混合培養することで、完全ヒトiPS細胞由来肝芽(iPS-LB)を作製する。次に、このiPS-LBが肝芽に類似する機能的特性を有することを確認する。続いて、体外培養環境またはマウス体内のヒトiPS-LBにヒト造血幹細胞(HSC)を注入し、HSC活性を維持可能な期間について検討する。HSC活性は、iPS-LBから採取した細胞を移植したマウス体内におけるヒト血球の再構築によって評価する。最後に、iPS-LBの構成比や培養条件を変更することで、ヒトHSC活性を維持する要因について詳細に検討する。
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研究成果の概要 |
ヒトの血液細胞を産生する造血幹細胞は、胎児の肝臓内で最も活発に増殖すると報告されているが、そのメカニズムは解明されていない。一方、胎児肝組織を多数回収し研究利用することは困難である。そこで、本研究では、ヒトiPS細胞から誘導した胎児肝を構成する3種の細胞を3次元的に組合わせたiPS肝オルガノイドを作製し、ヒト臍帯血造血幹細胞を移植することで、擬似的に胎児肝造血環境を模倣することを着想した。本研究で、ヒトiPS細胞から誘導した肝芽細胞及びiPS肝オルガノイド中では、胎児造血様の活発な赤血球分化が認められた。一方で、HSCの増殖は認められず、まだ要素が足りないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト造血幹細胞(HSC)特性を維持したまま体外で維持培養または増殖培養できれば、難病に対する遺伝子治療や献血に頼らない輸血用製剤の開発等、待望される数々の技術を実現化する。現在、数種報告のあるHSC増幅技術は、その機序に不明点が多く、HSCが活発に増幅する胎児肝環境における細胞同士の関係性を理解する必要があった。本研究では、ヒトiPS細胞由来肝芽が胎児造血に特徴的な赤血球分化の促進を認めたものの、現時点ではHSC自身の増殖は認められなかった。一方で、ヒトHSCは肝細胞の成熟に寄与する示唆を得た。本研究成果は、HSC増殖を支持する、より高度なヒト肝オルガノイド構築法界へ津への寄与が期待される。
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