研究課題/領域番号 |
19K15756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小倉 由資 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50750139)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PPAR / 骨芽細胞 / 天然物合成 / 血糖降下 / 骨粗鬆症 / 全合成 / 天然物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,骨芽細胞増殖物質amphirionin-5とPPARγ部分アゴニストnotoincisol B の立体化学決定と量的供給ルートの確立を実現し,骨芽細胞の増殖による骨密度の増強や血糖降下作用を示すPPARγの部分的活性化に天然物を活用する新たなアプローチに基づき展開する事によって, 両天然物を用いたインスリン抵抗性改善(血糖降下)薬の副作用の軽減、及び副作用の無い理想的な同薬の開発に向けた基礎及び応用研究の基盤創成を目的とする。微量天然物であるこれらの量的供給は、両天然物を基軸とした治療法研究の進展に必要不可欠であり、申請者は斬新かつ効率的な手法を駆使し、3年間での計画達成を目指す。
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研究成果の概要 |
渦鞭毛藻の培養液から単離された微量天然物amphirionin-5は、骨粗鬆症の新規治療法につながり得る骨芽細胞増殖活性を示すが、その化学構造は完全には決定されていない。本研究ではamphirionin-5の完全な化学合成を行うことにより、その構造解明に取り組み、平面構造の合成を達成したので、今後は立体配置の決定を行い当化合物の構造解明を実現する。 また血糖降下作用に関わるPPARγアンタゴニストであり、甘草由来の天然物amorfrutin類の網羅的合成研究も遂行し、それらの合成ルートの確立に成功した。量的供給が実現されるので、今後の応用研究に向けた基盤を整えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病の理想的治療法の確立は世界規模で喫緊の課題であり、血糖降下薬はその有効な治療手段の一つである。 インスリン抵抗性改善剤は血糖降下薬の一種であるが、骨密度の低下や心不全等の副作用を伴うことから国内承認はpioglitazoneの1例に留まっており, それに加えて膀胱癌のリスクが指摘されている。そこで本問題の解決方針として, 骨密度低下等の副作用を抑える、あるいは副作用を低減した血糖降下薬の開発につながる微量天然物の量的供給を試み、実際の化学合成に成功した。今後これらの天然物を用いた応用研究が進展することが期待される。
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