研究課題/領域番号 |
19K15767
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
美藤 友博 鳥取大学, 農学部, 助教 (20776421)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ビタミンB12 / Caenorhabditis elegans / 酸化ストレス / サルコペニア / ロコモティブシンドローム / 線虫 / ユビキチン / ジチロシン / 筋肉 / ミオシン / アクチン / 運動機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者で多発するビタミンB12 (B12) 欠乏性運動機能障害の分子メカニズムを解明するため、モデル生物 線虫 Caenorhabditis elegans を用いて、B12 の欠乏が筋組織の合成・分解制御システムに及ぼす影響を解析する。事業期間において、B12欠乏線虫を調製し、筋組織の蛍光観察ならびに筋肉の合成・分解を制御するシグナル経路の遺伝子・タンパク質発現を解析する。また、筋肉の合成・分解のシグナル経路関連遺伝子の発現を低下させた線虫を作出し、B12欠乏線虫の表現型と比較検討し、B12欠乏性運動機能障害の原因を探索する。
|
研究成果の概要 |
ビタミンB12欠乏で生じる運動機能障害の原因を明らかにするために、ビタミンB12欠乏が筋組織に及ぼす影響を解析した。ビタミンB12欠乏線虫では筋組織を構成するアクチンならびにミオシン繊維に老化様の変化を見出した。その要因はビタミンB12欠乏で誘発される酸化ストレスがユビキチン・プロテアソーム系を活性化させることにより、筋組織の分解が促進されたと推定された。また、線虫の運動機能の低下は、表層コラーゲンの量・質の低下が部分的に関与していることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、高齢者で多発するビタミンB12欠乏症と加齢性筋委縮症(サルコペニア)の関連性が垣間見れることより、サルコペニアの新しい予防・診断・治療法の開発に向け、本成果の社会学的意義は極めて大きい。特にこれまでに報告がないビタミンB12欠乏による筋肉の分解系促進は加齢・老化の視点を取り入れ、解析を進めるべき課題であると考えられる。また、ヒト疾病のモデル生物を用いて酸化ストレスがコラーゲン分子間の変異を誘発する仕組みを解明した点についての学術的意義は高い。
|