研究課題/領域番号 |
19K15789
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 山形大学 (2021) 徳島大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
叶 奈緒美 山形大学, 農学部, 准教授 (30780267)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 染色体分配機構 / 食品成分 / benzyl isothiocyanate / cancer / aneuploidy / がん / 染色体不安定性 / ライブセルイメージング / 食品 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、染色体分配機構を標的にして制がん効果を発揮する食品成分の同定とその作用機序の解明を目的としている。これまでに、食品成分ベンジルイソチオシアネート(BITC)が染色体分配に必須の動原体構成因子Mis12の減少を介して制がん効果を発揮することを既に見出している。そこで、BITCが染色体分配異常を介して制がん効果を発揮しているか、逆にがんの発生および悪性化を誘導し得るか検証する。また、BITCによるMis12レベル減少の上流メカニズムの解明を試みる。さらに、染色体分配機構を標的として制がん効果を発揮する食品成分をスクリーニングし、その詳細な作用機序の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
細胞分裂の度に構成する染色体数が変動する「染色体不安定性(CIN)」は、多くのがん細胞の特徴として知られている。本研究では、染色体分配異常の誘導を伴って細胞増殖抑制効果を発揮する食品成分としてベンジルイソチオシアネート(BITC)を同定し、試験したヒト培養細胞株において、正常二倍体(非CIN)の細胞よりもCINの性質を有する細胞の方が、BITCによる染色体分配異常誘導と細胞増殖抑制を受けやすいことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色体分配の制御機構はここ最近になって解明されてきたものが多く、食品成分がその機構にどのような影響を及ぼすかについてもよく分かっていなかった。本研究は、食品成分BITCが染色体分配異常を誘導し、さらにその作用が多くのがん細胞の特徴でもあるCINの性質を持つ細胞でより強く発揮され、細胞増殖抑制作用とも関連していることを示した点で学術的に価値がある。さらに、本研究の成果は、科学的根拠に基づいた、健康の維持・増進に効果的な食事の提案に貢献するだけでなく、制がん戦略の標的として注目されている染色体分配機構に作用する食品成分の同定は、新たな抗がん剤の開発にも貢献できるものと期待される。
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