研究課題/領域番号 |
19K15824
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱岡 範光 九州大学, 農学研究院, 助教 (40778669)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ダイジョ / 塊茎肥大 / 光環境 / 土壌水分 / 転流 / 放射線照射 / 突然変異 / ムカゴ形成 / 光合成特性 / ソース-シンクバランス / 突然変異体 / シンクソースバランス / 13C分配 |
研究開始時の研究の概要 |
ヤマノイモ属植物の食用種であるヤムは、主として新芋(地下塊茎)とムカゴ(地上塊茎)による栄養繁殖を行うため、他の作物と比べて品種育成が進んでおらず、広域的な栽培が制限されてきた。ヤムの全ゲノムが解読された今こそ、地上部と地下部における塊茎肥大制御因子を同定することで、ヤムの繁殖戦略の一端を明らかにし、国内外における安定生産および育種への応用を目指す。本研究では、ヤムの一種であるダイジョを用い、新芋とムカゴの形成・肥大に関わる生理的要因を地上部と地下部の環境応答(日長、光質、土壌水分)の面から解析する。また、ダイジョ突然変異系統パネルを作出し、これら形質を制御する因子(遺伝子)を同定する。
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研究成果の概要 |
地上部と地下部に塊茎を形成して栄養繁殖するヤムイモの繁殖様式に着目し、ダイジョの塊茎肥大機構について検討した。地下部新芋の肥大は、日長12時間未満の短日条件下で促進することが確認され、これに関与する候補遺伝子を見出した。地上部のムカゴ形成は短日+半湛水条件で促進することが明らかとなり、土壌過湿を地下部で感知することによりムカゴを形成し、光合成産物を転流する機構があることが示唆された。また、塊茎肥大遺伝子の同定に向けて、突然変異の誘発に適した放射線量を決定・照射し、ダイジョ突然変異系統群を作出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
栄養繁殖を基本とするヤムイモ種は、他の普通作物と比較して品種育成が遅れ、種によって生産可能な地域が限定されてきた。本研究において見出した塊茎形成・肥大メカニズムを基盤として、その主因子を制御した品種や栽培法を創出することができれば、早晩性の改変による広域適応性の付与やムカゴ着生の人為的制御などの栽培応用につながり、ヤムイモの生産性向上への足掛かりとなることが期待される。
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