研究課題/領域番号 |
19K15843
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
近藤 真千子 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助教 (40645975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 植物病原細菌 / エフェクター / イネ / 免疫 / 病徴 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原細菌が植物に感染するとTypeIII分泌装置からエフェクタータンパク質を植物細胞へ分泌する。これまでにAcidovorax avenaeのイネ非病原性N1141菌株のエフェクターであるIPPTはイネの免疫反応を誘導するが、イネ病原性K1菌株のIPPTはイネの病徴を引き起こすことを明らかにした。しかし、IPPT分子の何によってイネの免疫誘導や病徴発現が制御されているかは明らかではない。そこで、IPPT分子によるイネの免疫誘導と病徴発現の特異的制御機構の解明のため、IPPTのイネへの輸送の違い・酵素活性の違い・結合するイネタンパク質の違いが影響しているどうかに焦点を置いて研究を行う。
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研究成果の概要 |
植物病原細菌由来のエフェクタータンパク質IPPTによるイネの免疫誘導と病徴発現の特異的な制御機構を明らかにすることを目的として研究を行った。研究の結果、イネ病原性K1菌株のIPPTは宿主であるイネの病徴発現に関与し、イネ非病原性のN1141菌株のIPPTはDNAの断片化を伴う過敏感細胞死などのイネの免疫反応誘導に関与することを明らかにした。特に、IPPTによるイネ過敏感細胞死誘導の有無はTypeIII分泌装置を介した輸送の違いや酵素活性は関与せず、IPPT分子の違いによって左右されていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の免疫や病気に関する研究はシロイヌナズナを用いた研究などが中心で、イネの細菌病の研究はあまり進んでいない。本研究によって褐条病細菌A. avenaeのIPPTタンパク質はイネの過敏感細胞死などの免疫誘導と病徴発現の両方に関与する宿主特異性キーエフェクターであることが明らかとなり、この分子機構の解明はイネの免疫システムや病徴発現機構を明らかにするための足掛かりとなるだろう。今後、植物の免疫システムや病徴発現機構の解明により、関連する因子をターゲットとした新しい農薬の開発や病害抵抗性品種の作出につながると考えられる。
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