研究課題/領域番号 |
19K15844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
平井 洋行 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, プロジェクト特任助教 (70748847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | OsNAC4 / OsCPK8 / 過敏感細胞死 / 植物免疫 / CPK8 / Plant immunity / HR cell death |
研究開始時の研究の概要 |
植物は非病原性細菌を認識すると過敏感細胞死と呼ばれる強力な免疫反応を誘導する。これまでに申請者は、イネを用いて過敏感細胞死誘導機構に関する研究を行い、過敏感細胞死を正に制御する情報伝達因子OsCPK8と、その下流に存在する転写因子OsNAC4を同定した。しかし、OsCPK8からOsNAC4への情報伝達経路、OsNAC4がどの様な遺伝子の発現を制御しているかなど未だ不明な点が多い。そこで、本研究では、OsCPK8からOsNAC4への情報伝達経路を明らかにすると共に、OsNAC4によって発現が直接または間接的に制御されている遺伝子を明らかにし、イネ過敏感細胞死誘導機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、イネ過敏感細胞死誘導機構の解明を目的としている。イネ過敏感細胞死の情報伝達因子であるOsCPK8のリン酸化標的タンパク質の同定を試みたところ、イネ過敏感細胞死誘導に関わる転写因子OsNAC4を同定することができた。次に、過敏感細胞死誘導時OsNAC4の下流に存在する因子の同定を試みたところ、核の断片化を制御する因子としてIRENを、細胞膜透過性の喪失に関わる因子としてOsHSP90、Caleosin様タンパク質 (ESP1)、3-ketoacyl-CoA synthase様タンパク質 (Fat)を新たに同定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物免疫の中でも強力な免疫反応である過敏感細胞死の分子機構は不明な点が多かった。本研究は、この植物の過敏感細胞死分子機構についてイネを用いて解明を試みた。本研究において、OsCPK8の下流に存在するイネ過敏感細胞死関連因子として、OsNAC4・IREN・OsHSP90・ESP1・Fat遺伝子の5因子を同定した。この発見はイネ過敏感細胞死の更なる解明への足掛かりとなるものであると共に、他の植物の過敏感細胞死分子機構の解明に一役買えるものでもある。さらに、過敏感細胞死の分子機構が解明されれば、関連因子を標的とした新規農薬やゲノム編集技術による新規病害抵抗性品種の作出につながる可能性を秘めている。
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