研究課題/領域番号 |
19K15848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
遠藤 悠 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 特別研究員 (50837474)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 昆虫 / 味覚 / 受容体 / カイコ / イオノトロピック受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
エサに対する咬みつきや咀嚼,飲み込みなど昆虫の摂食行動は基本的に味覚に支配されている.すなわち,口器で特定の味を感じるとオートマティックにこれらの行動が起こる.昆虫の味覚は,さまざまな受容体分子に仲介されると考えられている.イオノトロピック受容体は昆虫の味覚器官に発現する化学受容体ファミリーのひとつであるが,どのような味を受容する分子であるか,ほとんどが不明である.本研究はカイコのイオノトロピック受容体のリガンドとなる味化合物の同定を目的とする.これらを足がかりに,昆虫の食物選択や宿主認識のメカニズムの解明を目指す.
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研究成果の概要 |
昆虫の味覚は、味覚受容体だけでなくイオノトロピック受容体(IR)にも仲介されると考えられている。本研究はカイコのIRの味覚における機能解明を目的とした。まずカイコの29種のIRの全長配列の推定を行った。RNA-seqによってIRを含む化学受容体ファミリーのカイコ味覚器官における発現レパートリーを得た。ゲノム編集技術によってIR8aノックアウトカイコを作出した。これを用いた電気生理学的実験から、IR8aはカイコのクワ認識に必要なβシトステロールの受容に関与しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物を食べる昆虫は優れた味覚を用いて特定の植物(宿主)のみを選択的に摂食することができる。昆虫の味覚システムを解明することは、カイコがなぜクワを食べるかといった昆虫-植物間の特異的関係を詳らかにするだけでなく、害虫管理等に対する貢献が期待できる。本研究はカイコのイオノトロピック受容体について味覚器官での発現を明らかにし、IR8aを共受容体として利用するIRはカイコのクワ認識に寄与しないことを示唆する結果を得た。今後のさらなる研究によって、味覚だけで特定の植物を認識してしまう昆虫の能力の分子的・神経的基盤が明らかになると期待される。
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