研究課題/領域番号 |
19K15853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
新屋 良治 明治大学, 農学部, 専任准教授 (30802798)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マツノザイセンチュウ / マツ材線虫病 / ウイルスベクター / 分子機能解析 / ALSV / ウイルス / クロマツ / マツ / 病原性因子 |
研究開始時の研究の概要 |
マツノザイセンチュウ(以下、線虫)により引き起こされるマツ材線虫病は東アジア及び欧州の一部地域で猛威を奮っている。その発病機構は未だ不明な点が多く、根本的に問題を解決するための新たな防除手段の開発が望まれている。本研究の目的は、マツ材線虫病を引き起こす原因となると考えられる線虫病原候補因子がマツ発病に実際に関与する因子であるかを検証することである。研究の方法としては、ウイルスベクター用いてクロマツにおいて線虫遺伝子の発現およびクロマツ遺伝子の機能破壊をする。本研究では線虫病原因子およびクロマツにおける線虫感受性遺伝子を同時に明らかにできるため、その成果はマツにおける線虫抵抗性育種に応用できる。
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研究成果の概要 |
マツノザイセンチュウを病原体とするマツ材線虫病は、マツ類樹木に枯死を引き起こす深刻な樹木病害であり、防御応答の過剰誘導により樹木全体が枯死すると考えられている。近年、線虫病原因子の候補が徐々に明らかとなってきているが、分子機能解析手法の不足により病原因子の特定には未だ至っていない。私たちは本研究課題において、木本類への外来遺伝子発現を可能にするウイルスべクターを利用して、線虫病原候補タンパク質をクロマツ種子の胚に一過的に発現させる系を確立した。確立した手法を用いて試験した結果、3種の線虫由来分子(ソーマチン様タンパク質及びGH30)が、マツ種子胚に対して防御応答を誘導することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マツ材線虫病は日本において過去数十年に亘り最重要森林病害虫として日本国内のマツ林に甚大な被害をもたらしてきたが、その発病分子メカニズムは十分に理解されて来なかった。本課題研究により、本来の宿主であるマツにおいて線虫由来の分子の機能解析が可能可能になったため、今後本手法を用いてマツ材線虫病の分子メカニズムが明らかになることが期待され、その後新規の線虫防除技術手法の開発につながることと予想される。
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