研究課題/領域番号 |
19K15869
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 北九州市立自然史・歴史博物館 |
研究代表者 |
中原 亨 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (10823221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ノスリ / アンブレラ種 / 生物多様性 / 二次的自然 / 利用環境 / 遠隔追跡 / GPSロガー / ハビタット選択 / 生息適地推定 / 里山 / 越冬環境 / GPS / 里山環境 / 猛禽類 / 生息地選択 |
研究開始時の研究の概要 |
生物多様性の損失を阻止することは世界的課題である。日本では里山環境の喪失に伴う生物多様性の損失が深刻な問題であり、「高い生物多様性を内包する里山環境」が現在までにどれだけ減少したか、将来どのように増減するのかについて、広域的・定量的な評価が求められる。本研究では、里山の生物多様性を、猛禽類ノスリの存否を指標として評価する。ノスリの越冬環境予測モデルを構築し、九州においてノスリの越冬可能な環境が現在までにどの程度増減したか、将来どのように増減するのかを推測する。これらを元に、ノスリが生息できるような生物多様性の高い里山環境と、そこでもたらされる生態系サービスの持続可能性について議論する。
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研究成果の概要 |
本研究では、冬季の里山生態系の頂点に位置する高次捕食者である猛禽類ノスリをGPSロガーによって追跡することで、行動圏や利用環境を明らかにし、生物相調査を通じて、利用環境内の生物多様性を示した。さらに、生息適地を推定するモデルを構築し、過去の土地利用や将来の土地利用予測に外挿することにより、過去から将来にかけてノスリの生息適地がどのように変遷するかを明らかにした。ノスリは幅広い食性を持ち、多くの生物種との直接的・間接的な相互作用があることから、高い生物多様性を内包する環境の指標となりうる種であり、生息適地の増減を推定したことにより、生物多様性の高い地域がどのように変遷しうるかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物多様性の損失を阻止することは、世界的課題として持続可能な開発目標 (SDGs) のゴールの1つにも挙げられているが、その前段階として、「高い生物多様性を内包する環境」が現在どの程度残存しているかを把握し、増減の可能性を予測することは重要である。本研究ではノスリという、生物多様性の指標となる生物の生息実態を組み込むことで、高い生物多様性を内包する環境の増減をより可視化しやすくする可能性を示した。
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