研究課題/領域番号 |
19K15886
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
馬 特 名古屋大学, 生命農学研究科, 特任助教 (70824316)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 近赤外空間分解分光法 / 木材の樹種判別 / 多波長の吸収・散乱特性 / 非破壊評価 / 近赤外ハイパースペクトラル空間分解分光法 / 非破壊材質評価 / 光の吸収散乱特性 / 可視-近赤外ハイパースペクトラル空間分解分光法 / 光の散乱特性 / 応用分光学 / 多変量解析 / 吸収・散乱特性 / 木材 / 多形質の同時非破壊測定 / 樹種判別 |
研究開始時の研究の概要 |
違法伐採は持続可能な森林経営にとって大きな問題であり、流通している樹種を正しく迅速に判定できる技術の確立が強く求められている。本研究では、木材試料に照射した可視ー近赤外の強い点光源(通常の分光イメージング法は面光源を使用するので、光拡散反射スペクトルから散乱情報の抽出は非常に困難)の空間分布から多波長の吸収・散乱特性を同時に取得する光学系を考案・設計する。それによって、各樹種の光透過深度や伝播経路などの違いを把握でき、樹種固有の組織構造を考慮した分光学的な新規樹種識別の非破壊手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、木材試料に照射した点光源の空間分布から多波長の吸収・散乱特性を高速、同時に取得する光学系を考案・設計した。これにより、複数樹種の非破壊判別モデルを作成でき、従来の分光法より予測精度の向上を実現できた。また、同じ空間分解分光法による木材引張ひずみの測定可能性も見出した。さらに、国際共同研究にもつなげて、本手法による果物の硬度を非破壊かつ高精度での測定可能性を見出した。これらの成果を国内学会(第71日本木材学会)で一度、2件国際ジャーナルへの論文投稿(Holzforschung, Postharvest Biology and Technology)を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の測定法で得られる拡散反射スペクトルには木材の化学成分(吸収係数)と物理構造(散乱係数)の情報が混在しており、複雑な多変量解析によって構築した材質予測モデルの分光学的および物理学的な解釈が曖昧になることがある(実用化に向けての大きな課題)。本研究はこれまでのスペクトル解析では障害となっていた散乱情報を有効に活用して、分光学的な情報のみから独自のアルゴリズムによって木材含水率、引張ひずみなどの高精度予測に成功した。さらに細胞構造の違いによる散乱情報に着目することで樹種識別の可能性を見出した。また、本手法に必要となる分光装置は低価格化かつ小型化もでき、現場での実用化を期待できる。
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