研究課題/領域番号 |
19K15887
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
戸高 昌俊 九州大学, 鉄鋼リサーチセンター, 特任助教 (60807832)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脱リグニン / 副生グリセリン / バイオディーゼル / 針葉樹 / バイオエタノール / バイオマス / バイオディーゼル副生グリセリン / バイオリファイナリー / 再生可能エネルギー / リグノセルロース / バイオマスリファイナリー |
研究開始時の研究の概要 |
リグノセルロースを原料とした酵素反応によるセルロースの糖化には脱リグニンの工程が必要である。一方で、バイオディーゼル生産において生成する副生グリセリンはアルカリ石ケン等の不純物が存在するため、サーマルリサイクル程度にしか利用されていない。本研究での脱リグニンプロセスにより、リグニンをグリセリンに可溶化させると共に、残渣のセルロース分はバイオエタノール原料としてさらなる利用が期待される。廃グリセリンを未利用木材の脱リグニンに有効利用出来れば、バイオディーゼル、バイオエタノール全てのバイオ燃料普及拡大に寄与できる。また、蓄積されたリグニンは単離することで材料利用の可能性がある。
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研究成果の概要 |
バイオエタノール製造の前処理にバイオディーゼル製造で副生するグリセリンを利用することでバイオディーゼルとバイオエタノールの並行製造プロセスにより廃棄物のない製造方法の検討を行った。石ケンを約20%含有するバイオディーゼルの副生グリセリンを用い、250℃、1hの加熱処理で針葉樹中のリグニンを37%から10%まで低下できた。このことにより、処理された針葉樹はバイオエタノール発酵の前段階である酵素糖化が容易にされることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果より、脂肪酸ナトリウム塩が予め混入しているバイオディーゼル副生グリセリンが針葉樹の脱リグニンに有効であることがわかった。さらに回収した処理後のグリセリンは、リグニンが溶解した液体が得られる。この液体は発熱量の高い燃料として利用可能である。これにより、高発熱グリセリン燃料の製造に加え、セルロースが糖資源となるため、バイオディーゼルの製造コストが結果的に下がることとなり、「バイオディーゼル」、「グリセリン燃料」、「バイオエタノール燃料」全てのバイオ燃料普及拡大に寄与できる。以上のように、廃棄物の出ない環境負荷の低いシステムが構築可能になる。
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