研究課題/領域番号 |
19K15909
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小南 友里 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30803572)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 飢餓適応 / ペプチドーム解析 / タンパク質分解 / 魚類 / 骨格筋 / ペプチドーム / メタボローム / プロテオーム / 代謝リプログラミング / タンパク質分解動態 / 魚類骨格筋 / オミクス |
研究開始時の研究の概要 |
飢餓時の魚類骨格筋では「タンパク質分解が亢進するが,タンパク質はあまり減少しない」という矛盾した現象が観察される.本研究では「飢餓時の魚類骨格筋ではどのようにしてタンパク質を節約しているのか?」という学術的問いに対し,「飢餓時の魚類骨格筋では,代謝リプログラミングのためにタンパク質分解が亢進するのではないか」という仮説をもとに挑む.飢餓適応過程の魚類骨格筋から経時的に取得したメタボローム,プロテオーム,ペプチドームから各酵素の合成・分解バランスの変動に対する各代謝化合物フローの変動の寄与度を評価し,タンパク質分解と代謝リプログラミングの関係を明示する.
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研究成果の概要 |
魚類は生命活動に係るエネルギー産生をタンパク質の異化に大きく依存しているにも関わらず,飢餓時でも遊泳のために最低限の骨格筋タンパク質量を維持しながら生存できる.このような魚類特有の飢餓適応メカニズムを明らかにすることを目的として,絶食飼育したカンパチの普通筋についてペプチドーム解析を行なった.定量的ペプチドーム解析の結果からは絶食開始2日目にタンパク質分解が亢進することが示唆され,成長ホルモンの分泌やタンパク質合成に関与するタンパク質が主な被分解タンパク質として同定された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マダイやクロマグロ,カンパチなどの肉食魚類の養殖では,魚粉を大量に配合した飼料が使用されている.世界的に養殖産業が拡大しているなか,魚粉原料の資源量が減少傾向にあることや残餌による海洋環境汚染などの問題を考慮すると,このような魚粉に依存した養殖を継続することは非現実的である.本研究の成果は,肉食魚類の骨格筋において特定のシグナル伝達によって筋線維タンパク質の分解が抑制されることを示している.今後,シグナル伝達の詳細について解明することによって,魚類の筋肉タンパク質の蓄積効率を向上させる飼料や給餌スケジュールの設計が可能になると期待される.
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