研究課題/領域番号 |
19K15910
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
片平 浩孝 麻布大学, 生命・環境科学部, 講師 (70722651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 人獣共通寄生虫症 / 鰭脚類 / 鯨類 / 線虫 / 条虫 / 内部寄生虫 / アニサキス / 鉤頭虫 / ネズミイルカ科 / 海棲哺乳類 / アニサキス科線虫 / 蠕虫類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、食品衛生的リスクを孕んでいるにも関わらず、これまで分類学的混乱と情報不足が解消されてこなかった海獣寄生虫を対象に標本を収集する。具体的には、1)駆除・混獲によって得られた宿主から虫体を採集し、形態観察用の標本作成および一部個体からDNA抽出するとともに、2)博物館および研究機関所有のプレパラート標本および液浸標本の活用を試みる。これらに基づいて、簡便な検索表の作成およびミトコンドリアCox領域・核28S・ITS領域等を対象としたDNAバーコーディングを実施する。
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研究成果の概要 |
本研究は、食品衛生上問題となりうる海獣寄生虫の分類学的混乱を解消することを目的として、特に手付かずであった種を対象に成虫の形態および分子系統を精査し、将来的なリスク評価に資する分類学的基盤の構築に取り組んだ。課題遂行によって、鰭脚類寄生性の消化管内寄生虫の種組成および沿岸性の小型鯨類における宿主-寄生虫関係の一端が明らかとなり、国内における分野停滞の解消に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本は野生動物由来の人獣共通寄生虫症が未だ課題とされる地域であり、水産分野においては、特に寿司や刺身などの生食を好む国民性のため、日常的に感染と隣り合わせのリスクを抱えている。こうした寄生虫症と人間活動との落とし所を探り、消費を縮小させることなくうまく付き合っていくためには、寄生虫の種を正しく認識し、安全性向上に資する生態情報の蓄積が必要である。本研究の成果は、安全安心に向けた定量的研究を加速させるうえで必須となる効率的かつ正確な種同定の基盤を提供するものであり、医療現場や検査機関等における誤同定防止の技術シーズ開発や問題発生時の迅速な情報発信に寄与することが期待される。
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