研究課題/領域番号 |
19K15913
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
片倉 文彦 日本大学, 生物資源科学部, 専任講師 (10756597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 魚類2型免疫 / サイトカイン / 抗原特異性 / GFPクローン魚 / GFPクローンギンブナ / 2型免疫応答 / 抗原特異的B細胞 / 魚類2型免疫応答 / 魚類寄生虫感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
魚類の寄生虫感染症は水産養殖現場において甚大な経済的被害をもたらすだけでなく食品衛生上も問題となる。しかし魚類生体防御機構の理解が乏しいためそれら寄生虫病の制御法が確立されていない。哺乳類では、寄生虫排除を主に担うのは2型ヘルパーT細胞などを中心とした2型免疫機構である。そこで魚類寄生虫病の制御法開発の基盤とするため、魚類の2型免疫応答を担う細胞および分子を同定しそれらの役割を明らかにすることで、寄生虫感染魚における免疫分子・細胞・臓器の時空間的ネットワークを解明する。
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研究成果の概要 |
魚類の寄生虫性疾病に対する主な生体防御機構である2型免疫応答のしくみを解明することは、それら疾病に対する予防法の開発につながる。本研究では、魚類2型免疫応答関連分子の同定とその機能解析に取り組み、魚類特有のIL-5famがコイの好酸球/好塩基球/マスト細胞(EBM)型顆粒球の産生を制御するサイトカインであることを明らかにした。さらに、魚類2型免疫応答を測定可能な解析系の開発を行った。即ち、抗原特異的B細胞増殖を再現可能な培養系を開発するとともに、細胞移入実験が可能なクローンギンブナを用いて、リンパ球のin vivo動態解析を可能とするEF1α:GFP遺伝子導入ギンブナ系統を作出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
魚類の免疫機構は哺乳類のそれと類似しているものの、分子・細胞レベルでは異なる点が多い。本研究では、魚類特有のIL-5famサイトカインがEBM型顆粒球の造血因子であることを明らかにした。本分子は哺乳類の好酸球などの産生に重要なIL-3/IL-5/GM-CSFファミリーの関連分子と考えられ、脊椎動物の免疫機構の普遍性と多様性の理解に重要な因子であることが示された。また、魚類の2型免疫応答時における細胞の性状や動態を解析可能な新規実験系を開発した。これらのことは、魚類免疫機構をさらに理解するための重要な研究ツールとなり、今後の魚病の制御法の開発に大きく貢献することが期待できる。
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