研究課題/領域番号 |
19K15971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 東 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (00754532)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ソノポレーション / 膀胱注入療法 / ピラルビシン / 非筋層浸潤膀胱癌 / マイクロバブル / 超音波 / 超音波治療 / ドラッグデリバリー / がん治療 |
研究開始時の研究の概要 |
獣医療および人医療の双方において、膀胱癌に対する新規の低侵襲局所治療法の開発が望まれている。超音波と微小気泡を用いるドラッグデリバリー法「ソノポレーション」は低侵襲かつ腫瘍選択的な治療が可能として、長年臨床応用が期待されてきた。本研究では犬の膀胱癌の新規局所治療法として膀胱内ソノポレーション治療を開発する。「デリバリーの定量」を柱に、まず生体を模倣した3次元培養での治療条件を検討する。続いて正常犬を用い、膀胱内ソノポレーションによる血中ならびに組織中の抗がん剤濃度の定量を行い、治療の安全を担保する。最適化と安全性を十分に吟味した上で、臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
膀胱癌の標準的治療の1つである抗がん剤の膀胱内注入療法の効果を向上させるために、超音波と小さな気泡を組み合わせた薬物送達(ドラッグデリバリー)法の開発を行っている。臨床応用に向けて、犬をモデルに、本研究の膀胱内ドラッグデリバリー法が安全性であるか、実際にどれくらい抗がん剤をデリバリーできるか検証した。正常犬においては、膀胱内に投与した抗がん剤は血液中からは検出されなかった、また膀胱粘膜に含まれる抗がん剤濃度がドラッグデリバリーによって増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、抗がん剤の膀胱内注入療法に超音波と小さな気泡によるドラッグデリバリー法を組み合わせでも、抗がん剤による全身的な副作用を生じないことが示された。同時に、膀胱内に注入された抗がん剤がドラッグデリバリー法によって、より高濃度でがん組織に作用する可能性が示唆された。これらの結果から、超音波と小さな気泡によるドラッグデリバリー法は膀胱癌の標準治療の1つである抗がん剤の膀胱内注入療法の効果を安全に高める方法と証明できたと考えられる。
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