研究課題/領域番号 |
19K16006
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
相原 尚之 麻布大学, 獣医学部, 講師 (50821732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 牛伝染性リンパ腫ウイルス / リンパ腫 / B-1a細胞 / 牛白血病ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
牛白血病ウイルス(BLV)は、地方病性牛白血病の原因ウイルスであり、Bリンパ球の1種のB-1a細胞を選択的に腫瘍化させる。申請者は、BLV特異抗原と活性化サイトカインの共刺激によりB-1a細胞が選択的に腫瘍化するという仮説を立てた。 本研究は、BLV感染によるB-1a細胞の牛体内の増殖組織を突き止め、増殖環境におけるB-1a細胞の異常増殖に働くBLV抗原及び活性化サイトカインを同定することにより、B-1a細胞選択的に起こる腫瘍化機構を解明することを目的とする。本研究は、B-1a細胞の特性に着目した体内増殖環境の解析によるBLV研究の新しいアプローチである。
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研究成果の概要 |
牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)は、地方病性牛伝染性リンパ腫(EBL)の原因ウイルスであり、感染牛においてBリンパ球の1種であるB-1a細胞を選択的に腫瘍化する。本研究はBLV感染によるB-1a細胞選択的腫瘍化機序の解明を目的とした。BLV感染牛ではEBL非発症の段階で体腔内脂肪組織(大網、腸間膜、心冠部)に存在するリンパ球の集積Fat-associated lymphoid cluster(FALC)が腫大し、同部位でB-1a細胞が選択的に増殖していた。さらに同部位でBLV RNAの発現が確認され、BLV感染によるFALCに限定したB-1a細胞選択的増殖の存在が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EBLの発生は30年前の40倍以上に急増し、国内で飼養される牛約400万頭の30~40%がBLVに感染しているとされることから、EBL発症リスクを持つ牛は120万頭以上と推定される。発症機序の解明は発症予防法の確立のための喫緊の課題であり、B-1a細胞に着目した研究は新しいアプローチである。本研究により、BLV感染後、体腔内FALCにおけるB-1a細胞の選択的な増殖、BLV RNA発現が明らかになった。腫瘍化を促進する微小環境の解明は発症予防法の開発に貢献する知見である。
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