研究課題/領域番号 |
19K16007
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
向田 昌司 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (80824797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高血圧 / リンパ管 / 血管 / 内皮 / 活性酸素 / 内皮細胞 / 平滑筋 / 活性酸素種 |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧症の治療対象として、心臓・血管系に加え、腎臓と中枢神経の機能に重点が置かれている。一方、リンパ管も体液貯留による血圧の緩衝作用を有していることから、「リンパ管機能の低下が血圧上昇の要因となり得る」と考えられる。本着想により、平成30年度研究活動スタート支援に採択された。本研究では、リンパ管機能障害の原因因子およびリンパ管機能改善に関わる因子の探求を行う。高血圧症ではリンパ管に活性酸素種(ROS)蓄積がみられることから、以下の3つの観点から研究を進める;(1)リンパ管機能障害にROSが及ぼす影響、(2)ROS蓄積の原因の探求、(3)リンパ管機能障害に抗酸化作用が及ぼす影響。
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研究成果の概要 |
近年、先進諸国にて高血圧症の基準値や降圧目標値が改定され、より厳格な血圧管理が求められるようになってきた。これまで高血圧症の病態研究では、心臓・血管系の直接的な関わりに加え、腎臓と中枢神経の血圧調節機能に重点が置かれてきた。本研究は、これまであまり検討されていなかったリンパ管に着目し、高血圧症との関連を明らかにすることを目的とした。主な本研究成果は、以下の通りである;高血圧を呈する高血圧ラットSHRにおいて、集合リンパ管内皮機能の障害が認められた。この障害機序はNADPHオキシダーゼによる活性酸素種の産生と示唆された。本研究により高血圧病態においてリンパ管が障害されるという新規知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高血圧症の原因として、血管内皮機能障害による弛緩反応の障害については議論されてきたが、リンパ管内皮機能の影響については未着手のままである。血管内皮機能障害にはROSの蓄積が密接に関与し、その原因因子として炎症性サイトカインやアンジオテンシンIIが知られているが、これについてもリンパ管を用いた検討はなされていない。本研究では、これまで報告のない「リンパ管機能と高血圧症」という観点から、高血圧症の病態機序を明らかとするところに、学術的意義ならびに社会的意義があると考える。
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