研究課題/領域番号 |
19K16062
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
菊地 正樹 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (20742430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アセチル化ヒストン / YEATSドメイン / 立体構造解析 / 翻訳後修飾 / GAS41 / アセチル化 / ヌクレオソーム |
研究開始時の研究の概要 |
GAS41は、様々ながん細胞の増殖・転移に密接に関わっているがん遺伝子である。GAS41は主に核内に存在し、構成ドメインのYEATSドメインが基質であるアセチル化修飾ヒストンを認識することにより、転写因子複合体やクロマチンリモデリング因子複合体などをクロマチンにリクルートし転写を制御している。本研究では、X線結晶構造解析およびクライオ電子顕微鏡単粒子解析を用いてGAS41とアセチル化ヌクレオソームの複合体構造を明らかにし、GAS41によるアセチル化ヌクレオソームの基質分子認識機構を解明することを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究では、GAS41によるアセチル化ヒストンの基質認識機構を解明することを目的とし、GAS41とアセチル化ヌクレオソーム複合体の立体構造解析を目指した。 昆虫細胞による全長GAS41の大量発現系を構築し、基質であるアセチル化ヒストンとの結合解析を行った。GAS41とアセチル化ヌクレオソーム複合体はクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析では低分解能であり構造決定には至らなかったが、ヌクレオソームを構成するアセチル化ヒストンとGAS41の複合体構造をX線結晶構造解析により決定した。GAS41はこれまでに報告されている結合ポケットとは別の相互作用領域が存在することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GAS41は膵臓がんをはじめとする様々ながん細胞の増殖・転移に密接に関わっているがん遺伝子である。GAS41がアセチル化修飾ヒストンを認識することにより、クロマチンリモデリング因子複合体や転写因子複合体などをクロマチンへリクルートすることで転写を制御し、細胞増殖を促している。GAS41抗がん剤標的分子として期待されるが、基質特異性やその認識機構など未だ不明な点が多い。本研究で、これまでに報告されているアセチル化リジンの認識機構とは別の結合様式を明らかにした。GAS41とアセチル化リジンの新たな相互作用領域の立体構造情報は特異的阻害剤開発において有用な知見になると期待される。
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