研究課題/領域番号 |
19K16064
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田上 貴祥 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70709849)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糖質加水分解酵素 / 糖鎖 / 配糖体 / タンパク質糖鎖 / 糖質関連酵素 / 筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
O-マンノース型糖鎖は筋細胞の安定化に必須なタンパク質質結合型糖鎖である。O-マンノース型糖鎖の生合成経路は解明されている一方で、どのように分解・代謝されているのかは未知である。本研究では壊死筋細胞の分解機構の解明を目的として、O-マンノース型糖鎖および誘導体の化学酵素合成法確立と、未知酵素である“O-マンノース型糖鎖分解酵素”の同定を目指す。 本研究計画が達成されれば、新たな筋疾患や代謝異常症の発見およびその治療のための創薬研究を展開する足がかりとなるし、発酵食肉製品の加工技術研究への応用も期待でき、広く一般社会への貢献が期待できる。
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研究成果の概要 |
筋肉は収縮によって力を発生させる組織であり,動物を“動”物たらしめる重要な器官である.近年,筋細胞の膜タンパク質に結合した“O-マンノース型糖鎖”が筋細胞の安定化に必須であることが発見され,その生合成に関する酵素群が明らかになってきた.一方で,壊死した筋細胞のO-マンノース型糖がどのように分解されているかは未知であった.本研究ではO-マンノース型糖鎖の代謝経路の解明を最終目標として,研究の基盤となる「生合成酵素に依存しないO-マンノース型糖鎖の酵素合成法の確立」を目指し,既知の酵素の中にα-マンノシル基転移反応を触媒するものが多数存在することを発見した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酵素のもっとも大きな特徴として「基質特異性(特定の化合物にしか作用しない性質)」があげられる。本研究において我々が発見した「α-マンノシル基転移反応を触媒する酵素」は,これまで「一般的なα-マンノシドには作用しない」と信じられてきた酵素群であった.本研究成果は,基質特異性に囚われない新たな酵素利用法の開発研究のきっかけとなるものであり,ひいては新たな機能性物質の生産などを通じて社会に還元されることが期待できる.
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