研究課題/領域番号 |
19K16086
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中尾 裕之 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (00805020)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脂質スクランブリング / フリップフロップ / ホスファチジルセリン / 細胞貪食 / マクロファージ / 膜貫通ペプチド / リン脂質 / 蛍光 / スクランブラーゼ / 貪食 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜のフリップフロップ(リン脂質分子が二重層を横切る移動)が促進されることによるホスファチジルセリン(PS)の細胞表面への露出は、貪食細胞がアポトーシス細胞を認識するためのシグナルである。最近、人為的にPSを露出させた場合でも、貪食細胞がPS露出細胞を消化することが明らかになった。そこで、細胞膜のフリップフロップを促進できれば、貪食細胞を利用して細胞を除去できるのではないかと考えた。本研究では、細胞に添加するだけでフリップフロップを促進するペプチドの開発を目指す。本研究により、細胞膜フリップフロップを促進できることを検証できれば、将来的にがんをターゲットにした治療法の開発に繋がる。
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研究成果の概要 |
真核生物の細胞膜において脂質スクランブリング(内外層の脂質混合)が起きると、内層に局在しているホスファチジルセリンが表面に露出する。露出したホスファチジルセリンは血小板凝集やアポトーシスなど様々な生理的過程において重要な役割を果たす。本研究では、独自に開発したペプチドを用いて、培養細胞の細胞膜において脂質スクランブリングを起こし、人工的にホスファチジルセリンを露出させることが可能であることを実証した。さらに、この人工的な脂質スクランブリングによってマクロファージによる細胞貪食を誘導することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホスファチジルセリンの露出はマクロファージによる貪食だけでなく、血小板凝集、骨ミネラル化、筋細胞の融合など様々な生命現象に関わる。すなわち、本研究で開発した脂質スクランブリングペプチドを用いれば、これらの生命現象を制御することが可能になる。また、部位特異的に送達することができれば、がんや脂質スクランブリングが関わる疾患の治療薬にもなりうる。
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