研究課題/領域番号 |
19K16088
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
守島 健 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (40812087)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 超遠心分析 (AUC) / X線小角散乱 (SAXS) / 時計蛋白質 / 時計タンパク質 / 小角散乱 (SAS) / サイズ排除クロマトグラフィ-X線小角散乱 / 超遠心分析(AUC) |
研究開始時の研究の概要 |
生物時計タンパク質として最もシンプル系であるシアノバクテリアのKaiA, KaiB, KaiCは、24時間周期で3者間での会合-解離を繰り返す。この挙動は6量体構造をもつKaiCの局所的な状態変化(ATP加水分解活性やリン酸化)と相関があるが、この「局所的な状態変化」と「3者間での会合-解離」を直接結ぶ分子間相互作用のメカニズムは解明されていない。本研究では、サイズ排除クロマトグラフィ-X線小角散乱測定による立体構造解析と、超遠心分析による構造安定性評価により、上記の2つを結びつけるメカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
シアノバクテリアが有する生物時計機構の基盤的役割をもつ蛋白質KaiCの溶液構造解析を行った。本研究ではまず、KaiCの正確な散乱プロファイルを得るために、超遠心分析(AUC)とX線小角散乱(SAXS)を組み合わせたAUC-SAXS法を開発した。次に、AUC-SAXS法によって得たKaiCの散乱プロファイルを再現する3次元構造を粗視化分子動力学シミュレーションを用いて探索した。得られた3次元構造からは、KaiCの両末端鎖が天然変性領域として振る舞っていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではKaiCのKaiAおよびKaiBとの相互作用を理解するために重要な3次元構造の知見が得られた。今後は天然変性領域として振る舞う両末端鎖の運動に立脚した複合体解析によって、生物時計機構のより詳細な理解につながると期待される。 また、本研究で開発したAUC-SAXS法はKaiCだけに限らず一般的な生体高分子に対して普遍的に適用可能である。溶液中の凝集による影響はX線小角散乱実験において長年の問題であったため、これを解決する方法として幅広く応用されることが期待される。
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