研究課題/領域番号 |
19K16116
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
鳴海 良平 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 プロテオームリサーチプロジェクト, 特任研究員 (60582202)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | リン酸化プロテオミクス / 薬効予測 / プロテオミクス / 癌細胞 / 大腸がん / 薬剤感受性予測 / 大腸がん細胞 / 大腸癌 / サンプル処理自動化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、癌の個別化医療の実現に向けた、個々の患者に最適な治療を診断するための新たな解析手法の開発を行う。分子標的薬の発展により癌治療は劇的な改善がもたらされたが、患者によって効果が著しく異なることが問題となっている。そこで、様々な薬剤感受性を持つ50種の大腸癌細胞株に対し、細胞の活動を担う数千種類ものタンパク分子およびタンパク質リン酸化の存在量を比較し、個々の細胞株のタンパク分子レベルの異常をみつけることにより、薬剤感受性の予測法の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
大腸がんの薬効予測の開発に向け、高分解能な分画法を構築し、従来よりリン酸化サイトの同定数が1.2倍向上した。次に35種類の大腸がん細胞のプロテオームおよびリン酸化プロテオームを行い、各細胞株で、8,800タンパク質、3万リン酸化サイトを定量することができた。また検出の難しいリン酸チロシンも1,500サイト定量することができ、薬効予測に有用な高深度のデータ取得に成功した。リン酸化サイトの定量値から、キナーゼ活性予測を行い、114個のキナーゼ活性プロファイルが得られ、各細胞のプロファイルの特徴はCDK1、CDK2、SRC、EGFR、METのキナーゼ活性が代表していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、分子標的薬により癌治療の効果が高まり、さらに、遺伝子解析技術の発展により、個々の患者の分子標的薬を予測し、個別化医療の道が開けつつある。しかし、その予測精度はまだ十分でなく、分子標的薬の効かない患者も多数存在することが問題となっている。本研究では、細胞内の化学反応を担っているタンパク質や、それらを制御するリン酸化を、大規模に比較解析することで、個々の大腸がん細胞株の増殖や薬剤感受性といった性質の理解を深め、個々の患者に治療効果のある分子標的薬を精度の高い予測に繋げようと考えた。本研究で得られたデータは、薬効予測に繋がる有用なデータとなると考えられる。
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