研究課題/領域番号 |
19K16117
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
龝枝 佑紀 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20770514)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | モルフォゲン / Wntシグナル / ゼブラフィッシュ / イメージング / 細胞競合 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞競合は、細胞社会において観察される細胞の適者生存システムである。この細胞競合の“胚発生における”生理的意義が明らかになりつつある。申請者も、体の前後軸を形成するモルフォゲンであるWntシグナル勾配の乱れとなる不良細胞が、細胞競合を介して排除されることを発見した。さらに細胞競合が、正確な胚発生の実行を支えるという生理的意義の一つを解明した。しかし、細胞競合の“構築後の組織における”生理的な意義は、ほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、胚発生での知見を起点として、ゼブラフィッシュを用いて“長期間生体内イメージング”解析系を確立して“構築後の組織における”細胞競合の生理的な意義を問う。
|
研究成果の概要 |
細胞競合は、細胞社会において観察される細胞の適者生存システムである。我々は、体の前後軸を形成するモルフォゲンであるWntシグナル勾配の乱れとなる不良細胞が、細胞競合を介して排除されることを発見した。さらに細胞競合が、正確な胚発生の実行を支えていることも証明し、細胞競合の生理的意義の一つを解明した。さらに、細胞競合の“構築後の組織における”生理的な意義についても解析を進めた。その解析に必要なライブイメージング解析系を改善・最適化し確立した。さらに、構築後組織では加齢とともに細胞品質管理が脆弱になりWntシグナル勾配が破綻することを示唆する成果を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構築後の組織において細胞競合が細胞品質管理を担い、不良な細胞を除去しており、加齢とともに脆弱化して組織の恒常性が維持できなくなることが示唆された。このことは細胞競合の破綻が、臓器の機能不全やがんなどの様々な疾患発症との関連を推察させる。このメカニズムが分かれば、組織・臓器を健康に保持する方法や新たな疾患の予防法などを見出すことができる可能性がある。
|