研究課題/領域番号 |
19K16123
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
久保 智広 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (70778745)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 鞭毛 / クラミドモナス / カルシウムイオン / 脱重合キネシン / 繊毛 / カルシウム / SUnSET法 / 微小管 / kinesin-13 / Puromycin / 鞭毛内輸送系 / 鞭毛・繊毛 / 鞭毛再生 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物の鞭毛・繊毛は、細胞の遊泳、水流形成、物質輸送、シグナル伝達に関わる。本研究は、鞭毛・繊毛のモデル生物クラミドモナスを用いて、カルシウムイオンが鞭毛構築にどのように関与しているか詳細に理解しようとするものである。そのため、次の三つの目的を設定した。(1) 脱鞭毛後の細胞を用いたトランスクリプトーム解析、(2) カルシウム感受性に異常を持つ変異株の単離・同定、(3) 鞭毛の構築速度が遅い変異株におけるカルシウムの影響の解析。鞭毛はゾウリムシからヒトまで広く保存されている。その構築機構を理解することは基礎生物学的、医学的に重要である。
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研究成果の概要 |
カルシウムは筋収縮、神経伝達、遺伝子発現制御、鞭毛繊毛の波形変換など多様な生命機能の調節や維持に関わる。例えば真核生物鞭毛(繊毛と同義)の構築にはカルシウムイオンが必須であることが分かっているが、果たしてカルシウムが鞭毛関連遺伝子の発現制御を行うのか、あるいはどの鞭毛蛋白質に影響を与えて鞭毛の伸長を調節するのか、など詳しい仕組みはほとんど分かっていない。そこで、本研究では鞭毛のモデル生物、単細胞緑藻類クラミドモナスを用い、カルシウムによる鞭毛構築機構を解明しようとした。その結果、カルシウムイオンが脱重合キネシン依存的な鞭毛形成に影響を与えている可能性が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物の鞭毛は、細胞の遊泳、水流形成、物質輸送、シグナル伝達に関わるため、生体内において重要な役割を持つ。例えば、初期胚のノードでは水流を形成することにより蛋白質の濃度勾配、および遺伝子発現パターンの非対称性を生み出し、それが体の左右軸形成の起因となっている。また、生体内の繊毛が異常になると、内臓逆位、不妊、水頭症、認知障害、網膜色素変性症、嚢胞腎など、繊毛病と総称される疾患を引き起こす。本研究は、カルシウムイオン依存的な鞭毛繊毛の構築機構を追究するものである。多くの生体機能や疾患に関わる鞭毛の構築機構の本質を理解することは、基礎生物学的および医学的に重要である。
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