研究課題/領域番号 |
19K16159
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山下 由衣 北海道大学, 農学研究院, 助教 (40803383)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ショ糖 / 上流ORF / 転写後遺伝子発現制御 / リボソーム / 翻訳制御 / 代謝制御 / uORF / 転写因子 / 翻訳 / 翻訳停滞 / C/N比 |
研究開始時の研究の概要 |
シロイヌナズナのS1グループbZIP転写因子ファミリー(S1-bZIP) mRNAのuORFは,リボソームの停滞を介してショ糖センサーとして働く。S1-bZIPは細胞内のショ糖濃度に応答して,アミノ酸代謝を調節する機能を持つ。光合成産物であるショ糖は植物にとって最も重要な炭素源であり,加えて炭素と窒素のバランスは 植物の成長や組織分化の統御で重要な役割をもつ。本研究は,S1-bZIP mRNAのuORFを翻訳中のリボソームが如何にしてショ糖センサーとして機能するのか,さらにはその炭素・窒素代謝統御の生理学的意義を明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
上流ORF(uORF)は真核生物の約半数のmRNAの5’非翻訳領域に存在する遺伝子発現の制御ユニットである。シロイヌナズナのS1-bZIP ファミリー遺伝子がコードするmRNAは,共通のショ糖感知ユニットとして,ショ糖に応答して翻訳停滞を起こすuORF2をもつ。本研究では,遺伝子間で共通するショ糖感知ユニットとしてのuORF2の機能の横断的解析を実施した。ショ糖のみならず,窒素栄養にも着目し,ショ糖センサーとしての共通の性質と,その転写後制御の多様な分子機構の関与が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光合成産物として,そして植物細胞内での糖の輸送態としてのショ糖は,多くの植物生理学的応答に関与する重要な分子である。本研究によって,ショ糖感知の制御ユニットとしての上流ORFの機能の解明を通じて,遺伝子間でショ糖感知のアウトプットが異なることが示された。uORFによる転写後遺伝子発現制御の分子機構の解明に資するものである。また,ショ糖感知による遺伝子発現制御の多様性から,ショ糖の多様な生理学的意義の解明にもつながるものである。
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