研究課題/領域番号 |
19K16192
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
古山 貴文 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20802268)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 視聴覚統合 / 光学計測 / クロスモーダル知覚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、視聴覚統合による物体認識に重要な脳内機構を解明することである。多くの動物は複数感覚から得た情報を脳内で統合し、周囲の環境を把握している。複数感覚の統合は、円滑なコミュニケーションや適切な物体認識に重要である。本研究では、動物を被験体として、視覚―聴覚間の神経回路を明らかにし、その神経活動を任意操作することで、視聴覚統合による物体認識行動にどのような変化を与えているかを明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、視聴覚統合による物体認識に重要な脳内機構を解明することを目的とし、げっ歯類およびコウモリを対象に、複数の部位の光学計測、電位計測実験を行った。その結果、コウモリの聴覚野では、エコーロケーション音に対して、広範囲で活動することが明らかになった。一方、スナネズミにおいては、種特異的なコミュニケーション音声を提示しても、活動の広さに変化は生じなかった。さらに、コウモリの網膜地図は、マウスやスナネズミなどと同様であることが明らかになった。この結果から、視覚の基礎的な情報処理は、他の動物と同様であるが、聴覚野におけるエコーロケーション音の処理機構においては特殊化されていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多感覚情報の統合機能は高次脳機能の1つであり、感覚統合の異常は自閉症などの発達障害に密接に関係している。特にヒトにおいて視聴覚統合は、音声と事物を対応させる言語発達に重要である。本研究では、広範囲の光学計測法を用いて、コウモリの基礎的な視覚情報処理機構およびエコーロケーションに特殊化した聴覚野の処理機構を明らかにした。今後、視覚野におけるエコーロケーション音の処理機構が明らかになることで、視聴覚統合による物体認識の生物学的基盤の解明だけでなく、ヒトの言語発達障害のメカニズム解明や治療法につながると期待される。
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