研究課題/領域番号 |
19K16199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷口 順子 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (60743127)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | セロトニン / アセチルコリン / Go-opsin / opsin2 / 光受容体 / 幽門 / Go-Opsin / 前端部神経外胚葉 / 腸管神経 / 腸管神経系 / nNOS |
研究開始時の研究の概要 |
ウニ幼生の前端部神経は、その形成過程の比較から、脊椎動物の脳の一部と相同であることが示唆されている。しかしながら、前端部神経が脊椎動物の脳のように、体の他の組織や器官の機能に影響を及ぼしているという実際の事象は、これまで報告されていない。そこで本研究では、「ウニ幼生の前端部神経が腸管神経系を介して腸管機能をコントロールする」という、これまでに報告されてこなかった事象の詳細な解明を行い、「我々ヒトにも見られるような脳による腸管機能制御は、後口動物の進化上、少なくとも、棘皮動物と脊索動物の共通祖先では獲得されていた」という新規の説の提唱を目指す。
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研究成果の概要 |
前端部神経外胚葉近隣のGo-opsinが光を受容することで前端部神経外胚葉からセロトニンが放出され、ウニ幼生の幽門が開口される一連の流れが明らかになった。また、幽門開口にはセロトニンだけでなくアセチルコリン神経も関与し、そのバランスによって開閉がコントロールされていることが示唆された。 本研究成果は、ウニ前端部神経外胚葉が脳として機能している証拠を示すと同時に、後口動物の共通祖先ですでに、脳やその周辺の神経系が、腸管の機能を制御していた可能性を示すものになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は棘皮動物における脳の存在およびその腸管への機能を実験的に示したものであり、脊椎動物などの後口動物における脳の起源と進化を考える上で、重要な研究成果になった。 また、光刺激がウニ幼生の脳を介して腸管の機能に影響を与えていることが明らかになったように、我々ヒトにおいても光などの外部環境と腸管機能の間には未知の関係性が存在することが強く示唆され、本研究成果をきっかけに、ヒトの健康維持に貢献できるアイデア等が生じることが期待される。
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