研究課題/領域番号 |
19K16215
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小林 峻 琉球大学, 理学部, 助教 (60838150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非飛翔性哺乳類 / 送粉 / 熱帯アジア / Mucuna / 哺乳類 / 地域差 / トビカズラ属 / 送粉生態 / アジア |
研究開始時の研究の概要 |
マメ科トビカズラ属は世界中の熱帯亜熱帯に広く分布し、大型の動物のみに送粉を依存する。本属は主に中南米における研究に基づいて、コウモリあるいは鳥が有力な送粉者であるとされていた。しかし、近年の申請者らの研究で、アジア域では非飛翔性哺乳類も本属における重要な送粉者であることが示唆された。本研究では、アジア域に分布する種のみで構成されるサブクレードに属する3種の送粉様式を明らかにすることを目的とする。調査は、自動動画撮影カメラによる送粉者の特定、花の外部形態の計測、花蜜の糖構成比の分析、香り成分の分析を行う。これらの結果に基づき、非飛翔性哺乳類媒の進化プロセスおよび進化のトリガーを推定する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、Mucuna thailandicaについては送粉様式の解明には至らなかったものの、送粉者の記載を行うことができた。また、本属のうち8種について各地で香気成分のサンプリングを行い、強い芳香のある本属の成分分析方法を確立した。さらに、M. macrocarpaの送粉者の違いが結実する高さに及ぼす影響や、同所的に分布するM. birdwoodianaとM. championiiの送粉様式も解明することができた。本研究により、M. Sub. Macrocarpaに属する3種の送粉者は全て非飛翔性哺乳類であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりMucuna Sub. Macrocarpaに属する種は、全て非飛翔性哺乳類に送粉されていることが明らかとなった。しかし、送粉者と誘引形質の対応関係は未解明であるが、今後解析するための方法が確立できた。 本属はコウモリ媒の種が多くを占めるにも関わらず、アジア域のみで非飛翔性哺乳類媒の種が記録されていることから、アジアにおける本属の種分化に非飛翔性哺乳類が重要な役割を果たす可能性を示唆している。このように亜属レベルで非飛翔性哺乳類に特化している送粉様式を持つグループは極めて珍しく、アジア域に特徴的な種分化プロセスである可能性がある。
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