研究課題/領域番号 |
19K16216
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 兵庫県立大学 (2020-2023) 首都大学東京 (2019) |
研究代表者 |
山崎 健史 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (90746786)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ハエトリグモ / 食性 / 多様性 / アリ擬態 / 系統分類 / ハエトリグモ科 / 安定同位体 / アリグモ属 / 系統 / 食物網 / 進化 / 生態学 / 分類学 / 動物 / 植物 |
研究開始時の研究の概要 |
クモ類の中で最も種多様性の高いハエトリグモ科は、高い視覚が交尾行動や捕食様式の多様化をもたらしたと考えられており、同時に種分化の重要な引き金でもあるとされている。しかし、近年では、ハエトリグモ類の植物食の一面も明らかになり、単に捕食者と考えられてきたハエトリグモ類にも様々な栄養段階があり、餌資源の分割も、多様性の創出・維持機構に寄与している可能性が考えられる。本研究では、熱帯におけるハエトリグモ類の多様化に、餌資源の分割があると仮説を立て、ハエトリグモ類の(1)網羅的な栄養段階の解明と(2)餌資源分割の系統的背景の解明を目的として行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、温帯から亜熱帯地域でのハエトリグモ類の栄養段階と食性を調べることを目的をして行った。栄養段階を明らかにするために、採集されたハエトリグモ各種について窒素と炭素の安定同位体比分析を行った。食性を明らかにするため、採集されたハエトリグモ類の胃の内容物のメタバーコーディング を行い、餌メニューを調べた。その結果、温帯から熱帯に生息するハエトリグモ類では、熱帯で見られるような植物食傾向を示す種は出現せず、すべて雑食から肉食傾向のジェネラルな捕食者であった。また、アリ擬態のハエトリグモ類の系統上では、植物食傾向の種は複数回独立に進化してきたことが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、なぜ熱帯は生物種の数が多いのかという生物地理学的な大きな疑問に寄与するものである。これまで、生物分類群ごとに様々な仮説が提唱されており、本研究の成果は、餌分割という視点から生物種が多様化して、その多様性を維持している機構にひとつの説明を与えるものである。
|