研究課題/領域番号 |
19K16220
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 山形大学 (2020-2022) 沖縄科学技術大学院大学 (2019) |
研究代表者 |
金尾 太輔 山形大学, 理学部, 助教 (40758421)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 好白蟻性 / 種分化 / 寄主特異性 / 系統解析 / ミトコンドリア / 未記載種 / 好白蟻性昆虫 / 野外調査 / DNA実験 / 種多様性 / 分類学 / 系統地理学 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
同種のシロアリと種特異的に関わる複数の好白蟻性昆虫は、寄主との共進化を通して同様の分布拡大や地史的イベントを経験している。そのため、好白蟻性昆虫の種や形態の多様化は、それぞれの祖先形質などの系統的な特性を反映していると予想される。本研究は、東南アジアにおける野外調査と分子系統学的アプローチにより、同種のシロアリを寄主とする複数の好白蟻性昆虫の進化史を系統間で比較し、シロアリの巣に見られる生物多様性の成り立ちを解明する。また、得られた成果を分類学的にまとめることで、好白蟻性昆虫の種多様性の実態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、東南アジアに生息するアシナガシロアリを寄主とする好白蟻性昆虫(ハネカクシ・シミ・クロバネキノコバエ)を対象にミトコンドリアゲノムを用いた系統解析と分類学的再検討を行った。好白蟻性昆虫は一般的に寄主シロアリと種特異的に関わるため、同じシロアリを寄主とする好白蟻性昆虫は、同様の分布拡大や地史的イベントを経験していると考えられるが、系統解析の結果、好白蟻性昆虫は分類群ごとに遺伝子の変異率や形態の多様化の程度に大きな差が見られることがわかった。また、系統解析と形態観察の成果に基づき、対象とした好白蟻性昆虫には、複数の未記載種が含まれることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物多様性は、複雑な地形への適応や生物間の共生・競争関係、同所的な生息空間のシフトなど様々な要因によって創出されてきたと考えられている。しかし、それぞれの要因が生物の多様化に与えた影響を、生物間で単純に比較することは難しい。本研究は、強い寄主特異性を持ち、同種のシロアリを寄主とする複数の好白蟻性昆虫に着目することで、系統的に離れた分類群間の進化史を比較し、上述の諸要因や系統的な要因が形態の多様化に与える影響を明らかにした。
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