研究課題/領域番号 |
19K16221
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 公益財団法人目黒寄生虫館 |
研究代表者 |
高野 剛史 公益財団法人目黒寄生虫館, その他部局等, 研究員 (50794187)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 寄生 / 腹足類 / 種多様性 / 初期発生 / DNAバーコーディング / 分子系統解析 / 棘皮動物 / ミトゲノム / 寄生性腹足類 |
研究開始時の研究の概要 |
ハナゴウナ科の腹足類は、棘皮動物を宿主とする寄生者である。同科貝類はあらゆる海洋環境に生息し、高い生態的・形態的多様性を示すことから、海産寄生生物の進化を研究するうえで重要な分類群と考えられる。一方で、ハナゴウナ科には分類の再検討を要するグループが多数含まれる。本研究では、DNAバーコーディングと形態の精査により、ハナゴウナ類の種多様性を把握するとともに、各種の寄生生態・地理的分布・初期発生様式を明らかにする。分子系統解析とあわせることで、同科貝類の多様化プロセス解明を目指す。
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研究成果の概要 |
棘皮動物寄生性であるハナゴウナ科の巻貝類を対象に、野外における生態調査、形態比較と遺伝子解析を併用した種多様性の把握および系統関係の推定を行った。その結果、同種の宿主を複数種のハナゴウナ類が利用する例が多く認められた。それらが科ないし特定の属内の異なる系統に属する場合と、互いに極めて近縁な種である場合があり、後者は特に地理的に離れた地点間で見出された。これらにより、ハナゴウナ類の多様化には同種宿主への反復的な宿主転換と、地理的隔離の両者が寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寄生生物は200以上のグループが知られ、極めて高い種多様性を示すものがある。本研究では、ハナゴウナ科で同種宿主への反復的な宿主転換が明らかとなり、このような事象が寄生生物の多様化を促進することが示唆された。また、寄生生物は生態系の中でも重要な役割を果たす。今回得られたハナゴウナ類の系統分類ならびに寄生生態の基礎的知見は、海洋生態系の正確な理解につながるとともに、同分野に関する教育への貢献も期待される。
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