研究課題/領域番号 |
19K16258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
嶺岸 卓徳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40823670)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 樹状突起スパイン / シナプス可塑性 / アクチン線維 / Shootin1 / L1-CAM / N-cadherin / クラッチ分子 / 記憶形成 / 神経細胞 / アクチン / LTP / 分子力学 |
研究開始時の研究の概要 |
記憶形成に重要な樹状突起スパインのサイズ増大は、これまで、グルタミン酸刺激により活性化されたアクチン線維の重合に依存すると考えられてきた。しかし、当研究グループは、樹状突起スパインのサイズ増大にはアクチン重合のみならず、アクチン線維と細胞外基質の連結により生み出される力も必要である可能性を見出した。本研究課題では、樹状突起スパインのサイズ増大に必要な分子力学機構の解明を目指す。さらに、本研究が提唱する分子力学機構の記憶形成への関与を検証する。
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研究成果の概要 |
樹状突起スパインの拡大は、記憶形成に重要な役割を果たすことが知られているが、スパイン拡大を引き起こす力がいかにして生み出されるのか、その分子機構は不明であった。本研究の結果から、Shootin1aが逆行性移動するアクチン線維と細胞接着分子を連結し、逆行性移動の力を細胞外基質に伝達することでスパイン拡大のための力を生み出すことがわかった。また、Shootin1遺伝子欠損マウスを用いた動物行動解析から、Shootin1aが記憶形成に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹状突起スパインは脳内の記憶素子であると考えられており、記憶学習障害を示す認知症や知的障害の患者の脳では、樹状突起スパインの数や形態に異常が見られることが報告されている。また、最近になり、知的障害の家系で血液における発現量が大きく減少する遺伝子の一つとしてShootin1が報告された (InanlooRahatloo et al., Neuroscience, 2019)。そのため、本研究の成果は記憶形成のメカニズムの理解を深めるだけでなく、知的障害等の記憶学習障害の原因解明に寄与する可能性がある。
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