研究課題/領域番号 |
19K16263
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020-2022) 熊本大学 (2019) |
研究代表者 |
小高 陽樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40831243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | iPS細胞 / ミクログリア / 脳オルガノイド / グルココルチコイド / 神経発達障害 / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、iPS細胞から作出され、ヒト脳の発生過程を試験管内で再現できる脳スフェロイドが、疾患研究の新たなアプローチ法として注目されている。一方で、これまでの脳スフェロイドには、脳内免疫の重要な立役者であるミクログリアが含まれておらず、その生理的・病理的役割は見過ごされてきた。 本研究では、iPS細胞から脳スフェロイドとミクログリアを分化誘導し、共培養を行うことで、ミクログリアを含有する脳スフェロイドを作製する。これにより、ヒト脳の発生におけるミクログリアの生理的役割を検証する。また、神経発達障害の環境要因となるグルココルチコイドの曝露を行い、神経発達の障害におけるミクログリアの役割を検証する。
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研究成果の概要 |
iPS細胞から作製され、脳の立体組織構造を有する球状オルガノイド(ヒト脳スフェロイド)がヒト脳の発生モデルとして注目されている。しかし、従来の脳スフェロイドにはミクログリアが含まれておらず、ミクログリアの役割が見過ごされていた。本研究では、ミクログリアを含む大脳スフェロイドを作製し、ストレスホルモンによる神経発生異常をミクログリア動態に着目し解明することを目指した。ミクログリアを添加した大脳スフェロイドでは、ミクログリアが分散して存在し、成熟することが確認された。また、ストレスホルモンの曝露によりミクログリアの活性低下と、神経分化障害が生じることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、胎生期におけるミクログリアの発生過程をin vitroで再現することで、ミクログリアを含有する脳スフェロイドの評価系を構築した。また、本系を用いることで、神経発達障害の環境因子として知られる胎生期ストレスホルモン曝露の影響を解析し、ミクログリアの活性および生存が障害され、神経分化が抑制されることを示した。本スフェロイド培養系は、脳内免疫系の異常が関与する様々な神経・精神疾患、発達障害の研究に利用でき、ミクログリアが関与する病態の解明や治療標的の探索、薬剤候補の薬効評価スクリーニングに有用である。
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