研究課題/領域番号 |
19K16297
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松田 弘美 北里大学, 医学部, 講師 (00525743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リンパ管新生 / 炎症 / CGRP / RAMP1 / リンパ管 / 免疫細胞 / 神経 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ管は生体内の組織液維持や免疫応答などの生理的な役割を果たし、炎症時にはリンパ管が増殖新生する。本研究では炎症時には神経ペプチドCGRPが免疫細胞のCGRP受容体RAMP1シグナルを介してリンパ管新生因子を産生しリンパ管新生を促進して炎症制御に関与することを証明し、そのメカニズムを解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
リンパ管は生体内の組織液維持や免疫応答などの生理的な役割を果たし、炎症時にはリンパ管が増殖新生する。私たちは、知覚神経から遊離されるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が免疫細胞に発現するCGRP受容体のサブユニットである、受容体活性調節蛋白1(RAMP1)に作用してリンパ管新生を促進することを見いだした。すなわち、LPS投与により誘導されたマウス腹膜炎において、横隔膜にRAMP1シグナルに依存してマクロファージやT細胞からリンパ管新生因子を産生して新生リンパ管が形成された。この結果から、RAMP1シグナルによるリンパ管新生を標的とした炎症制御の治療の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では炎症刺激により知覚神経から放出されるCGRPが免疫細胞にあるRAMP1受容体を介してリンパ管の可塑性を制御することを明らかにした。知覚神経系と免疫系との分子レベルでのクロストークがリンパ管新生に関与し、炎症を制御するという新原理を提案できた。この解明により、RAMP1シグナルによる横隔膜リンパ管新生増強作用を介した炎症制御の応用につながる。また他の炎症モデルでも検証を加え、リンパ管可塑性制御が炎症制御となりうるか、炎症による誘導リンパ管新生に対して神経ペプチドシグナル伝達経路を標的とする新しい治療戦略に発展する可能性を探る基盤研究を進めることになる。
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