研究課題/領域番号 |
19K16299
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2020-2021) 東京医科歯科大学 (2019) |
研究代表者 |
吉澤 知彦 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70825744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マルチユニット記録 / ポアソン回帰 / 一次運動野 / 前頭前野 / 線条体 / ワーキングメモリ / ワーキングメモリー / 機械学習 / マクロ状態 / 腹側被蓋野 / レバー課題 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳のしくみを理論的に解釈することを目的として、脳内で使われるアルゴリズムを集団神経活動から推定する手法を開発する。そのために、行動課題遂行中のラットから集団神経活動を多チャンネルマルチユニット記録し、各時刻の集団神経活動を生成した脳の状態を機械学習の技術を用いて抽出する。そして、抽出された脳の状態がどのような行動に関わり、どのような法則で遷移するか同定し、行動課題中のラットの脳内アルゴリズムを推定する。
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研究成果の概要 |
多数の神経細胞に由来する大規模神経活動データを電気生理学的手法を用いて取得し、動物の意思決定の機能を実現する神経基盤の解明を目指した。左右二択課題遂行中の神経活動データに対して、独自に開発したポアソン回帰手法を適用したところ、ラットが連続的に選択行動を行う状況では大脳皮質-基底核ループの運動系ループに直前に選んだ選択肢とその結果についての情報が強く保持されており、ワーキングメモリを活用した意思決定戦略が実行されていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、良い結果となった場合は同じ選択肢を選び続け、悪い結果となった場合には別の選択肢に切り替えるというwin-stay lose-switch(WSLS)のようなワーキングメモリ型の意思決定戦略は、大脳皮質-基底核ループの運動系ループで処理されることが大規模神経データの解析によって示された。この研究成果は、ワーキングメモリの障害がしばしば併発し適応的な行動に影響が及ぶ統合失調症やうつ病などの精神疾患に対する理解の深化に貢献が期待される。
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