研究課題/領域番号 |
19K16311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
萩原 浩一 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (20804371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有機化学 / 天然物合成化学 / セスキテルペン / 生物活性天然物 / 網羅的合成 / 生物活性化合物 / 天然物合成 |
研究開始時の研究の概要 |
ジヒドロ-β-アガロフラン類は、3環性共通骨格上の酸素官能基の違いにより、多様な生物活性を発現する。特に含ピリジンマクロ環を有するアガロフラン類は有用かつ強力な活性を示す。そのため、アガロフラン類は医薬品のリード化合物として大きく注目されている。しかし、その複雑な構造ゆえ化学全合成が困難であり、詳細な構造活性相関研究は未踏である。 本研究は、含ピリジンマクロ環を有するアガロフラン類の全合成による高酸化度アガロフラン類の網羅的合成法の確立および、効率的な類縁体合成による新規生物活性物質の創製を目的とする。全合成を基盤とした本研究は、有機合成化学のみならず、創薬研究の観点からも重要な基礎研究である。
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研究成果の概要 |
新規生物活性化合物の創出を目指し、ジヒドロ-β-アガロフラン類の網羅的全合成法を確立するため、まず、アガロフラン類の中で最も酸化度の高いオイオニミノールオクタアセタートの合成を行った。 分子の三次元構造を活用した戦略により、オイオニミノールオクタアセタートの不斉全合成を24工程で達成した。この効率的な合成ルートの中間体は、骨格上のすべてのヒドロキシ基が保護基および立体的要因により明確に区別されている。従って、本化合物を共通中間体とし様々なアシル基を自在に導入することで、多様なアガロフラン類の網羅的合成が可能になる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、新規生物活性化合物の創出を目指したジヒドロ-β-アガロフラン類の網羅的全合成法の確立を目的とした。研究の結果、本天然物群の中でも最も高い酸化度を有し、合成が困難なオイオニミノールオクタアセタートの不斉全合成を24工程で達成した。本合成の中間体を利用することで、種々のジヒドロ-β-アガロフラン類の全合成を実現できると考えられる。また、本研究の発展により、ジヒドロ-β-アガロフラン類の創薬研究への展開が期待できる。従って、有機合成化学・創薬化学的に重要な研究成果が得られたと言える。
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