研究課題/領域番号 |
19K16369
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢吹 悌 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (70756121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | T 型カルシウムチャネル / ストレス / うつ様行動 / 神経活動 / カルシウムチャネル / ストレス耐性 / 抑制性神経伝達 / うつ / ストレス応答 / うつ病 |
研究開始時の研究の概要 |
T 型カルシウムチャネルは一過性に開口し、低閾値で一過性に開口する電位依存性カルシウムチャネルである。申請者は、Cav3.1 T 型カルシウムチャネルを賦活化し、脳内アセチルコリン遊離を促進する化合物を見出した。その化合物は嗅球摘出マウスのうつ様行動を改善する。一方、Cav3.1 欠損マウスはうつ様行動を示さなかったが、興味深いことに、ストレス誘発性うつ様行動に耐性を示した。本研究では、ストレス誘発性うつ様行動における Cav3.1 T 型カルシウムチャネル機能の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
T 型カルシウムチャネルは低閾値で一過性に開口する電位依存性カルシウムチャネルである。申請者は、T 型カルシウムチャネル欠損マウスがストレス性うつ様行動に耐性を示すことを見出した。本研究では、ストレス性うつ様行動における T 型カルシウムチャネル機能を解明し、創薬研究への発展を目指した。本研究により、ストレス負荷によって前頭前皮質の興奮性/抑制性神経活動の均衡が破綻し、うつ様行動が誘導されることが示唆された。また、遺伝子欠損マウスの検討から、T 型カルシウムチャネルがストレス負荷による抑制性神経活性化に重要な役割を担っていることが考えられる。現在、治療候補薬の探索を継続している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで T 型カルシウムチャネルは痛覚反応や睡眠に関与することが知られていたが、本研究により新たに脳におけるストレス応答に重要な役割を果たすことがわかった。脳におけるストレス応答の理解は、精神疾患発症メカニズムを検討する上で非常に重要である。ストレス社会である日本において、うつ病は年々増加しており、うつ病の治療法確立は急務である。本研究はストレスによるうつ病発症メカニズムの一端を明らかにし、創薬研究と繋げる橋渡し研究であり、神経科学の発展と新規抗うつ薬の開発に大きく貢献できると考えられる。
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