研究課題/領域番号 |
19K16370
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2020-2021) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
山橋 幸恵 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 助教 (00793481)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アセチルコリン / PAKキナーゼ / ドネペジル / 忌避学習 / 認知機能 / シナプス / 側坐核 / 海馬 / 認知記憶 / 忌避学習・嫌悪記憶 / PAK / リン酸化 / スパイン / PKC / D2R-MSN / リン酸化プロテオミクス / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、PAK基質の包括的探索を行うことで、神経細胞内におけるアセチルコリンの作用機序を解明すると共に、忌避学習・嫌悪記憶や認知記憶の形成におけるアセチルコリン-Rac-PAKシグナルの役割を明らかにすることを目的としている。そのため、2019年度は、1) アセチルコリン下流におけるPAK基質の包括的探索を行い、2) PAK基質及びそのリン酸化部位を同定し、3) アセチルコリン-PAKシグナル伝達解析を行う。2020年度は、1) 個体内における樹状突起スパインの形態解析を行い、2) マウスの忌避学習・嫌悪記憶及び認知記憶の解析を行う。
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研究成果の概要 |
脳内のアセチルコリンは学習・記憶に重要な神経伝達物質であり、認知症治療薬の標的となっている。本研究の目的は、学習・記憶を制御するアセチルコリンの神経細胞内での作用機序を解明することである。研究成果は以下の3点にまとめられる。1、側坐核内のD2R-MSNにおけるPAKキナーゼの活性化がシナプス可塑性を促進し、忌避学習を亢進する。2、ドネペジルにより、D2R-MSN内のPAKが活性化し、忌避学習が亢進する。3、認知記憶を担う海馬内のCA1領域においてもPAKはドネペジルにより活性化する。以上の結果より、アセチルコリン-PAK経路がシナプス可塑性を介して忌避学習や認知記憶を制御することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、学習・記憶を制御するアセチルコリンの神経細胞内におけるシグナル伝達機構を明らかにし、認知症治療薬ドネペジルの細胞内における作用機序の解明にも繋げることができた。更に、アセチルコリンがシナプス形態可塑性の制御にも関わるという新たな機能を示唆した。忌避学習や認知記憶が、アルツハイマー型認知症治療薬のスクリーニングの評価に使われている。このことから、本研究で同定したアセチルコリンのシグナル伝達経路の構成分子が治療標的に繋がることが期待される。
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