研究課題/領域番号 |
19K16395
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
石田 智滉 高知大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (90792010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 漢方薬 / KKAy / SAMP8 / 十全大補湯 / 柴胡桂枝乾姜湯 / 糖尿病 / サルコペニア / 筋萎縮 / 柴胡 / 骨格筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは高齢化が進む日本において患者数増加が予想され、特に糖尿病患者において発症頻度が高く予防治療の確立が求められる。本研究では漢方処方約150種類のスクリーニングを行い、糖尿病性サルコペニア予防に利用できる処方を選抜する。選抜された処方について筋萎縮モデルマウスを用いてエビデンスの構築を行い、本研究終了後に臨床試験の実施に向け研究を進める。また、漢方薬は多数の薬理活性成分を含むため、新薬の候補となる成分を含む可能性がある。本研究では、漢方薬に含まれる薬理活性成分の同定を目指した実験も行い、サルコペニア治療の新薬候補になる成分を見出す。
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研究成果の概要 |
糖尿病性サルコペニア治療薬となり得る漢方処方を選抜するために、in vitro試験を用いてSirtuin1(Sirt1)転写活性を指標とした1次スクリーニングを実施し、さらに、選抜された漢方処方を糖尿病肥満モデルマウスであるKKAyマウスを用いて筋萎縮抑制効果について評価した。その結果、柴胡桂枝乾姜湯と十全大補湯に筋萎縮抑制効果があることが分かった。さらに、十全大補湯においては老化促進マウス(SAMP8)に対しても筋萎縮抑制効果を示した。以上のことから、柴胡桂枝乾姜湯及び十全大補湯に糖尿病性サルコペニアに対する予防効果があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、サルコペニアに対する有効な予防薬や治療薬は存在せず開発が急務となっている。 その中で、本研究では、漢方薬に筋萎縮抑制効果を見いだした。通常、新薬には長い開発期間を要するが、漢方薬は既に豊富な使用経験があり、臨床応用までの期間が短期で済む可能性が高い。また、漢方薬は複数の化合物が含有される多成分系であり、その中にはサルコペニア治療薬の候補となる未知化合物が含まれている可能性も多分にある。今後、漢方薬中に含まれる有効成分の同定を行うことで、サルコペニア治療の新薬として新薬開発にも貢献できる可能性もある。
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