研究課題/領域番号 |
19K16404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 (2021) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2019) |
研究代表者 |
成田 匠 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (30839189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大腸がん / がん予防 / 抗酸化 / 酸化ストレス / グルタチオン / 食品成分 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
がんは老化性疾患の一つであり、老化を抑制することにより発症を抑制すると考えられる。一方、アブラナ科植物の成分に老化を抑制する成分が見出されている。がん予防研究や発がんメカニズム解明において、疫学研究と細胞を用いた基礎研究は行われているが、その間を埋める基礎研究はほとんど行われていない。そこで、本研究は、がんが老化性疾患であるという着眼点の元、アブラナ科植物に含まれる成分が、老化の抑制に重要である白色脂肪組織の代謝にどの様に影響し、さらに組織間コミュニケーションによって、腸管がんに作用するのかを、炎症・酸化ストレス・ミトコンドリア活性を評価することにより明らかにすることにした。
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研究成果の概要 |
本研究では、アブラナ科植物10種の抽出液より大腸がん予防効果を示す可能性があるものをスクリーニングし、その中の有効成分に関してさらにスクリーニングをすることにより、4成分を見出した。その内、大腸上皮正常様細胞と大腸がん細胞において、スルフォラフェンが大腸発がん予防に最も有効である可能性が示めされたため、さらにメカニズム解析を行うとその効果はグルタチオン量を介する制御であることがわかった。腸ポリープが多発する家族性大腸腺腫症モデルマウスを用いると、スルフォラフェンは腸ポリープ数を減少させ、腸管粘膜上皮においてグルタチオン量も増加させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、食事による大腸がん予防方法の開発の一助になると考えている。我々は野菜そのものとして、また食用油としてアブラナ科植物の長い食経験を持ち、その成分であるスルフォラフェンも大根などの成分として摂取している。日本人における多目的コホート研究においてもアブラナ科植物ががん予防効果に効果があることが報告されており、本研究の結果は作用機序を提示することにより、そのエビデンスレベルを高めた。我々の成果をもとに、農学園芸領域において、スルフォラフェンを増強した野菜の開発や選別を促し、公衆衛生においても大腸がんの罹患者および死亡者数が減少されることが期待される。
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